101.D【凶夢:24】
前回からの続きです。
◎【24】◎
〔オシリスとアイシス〕
ここは日本の京都府の某所 (その1)
そこは広大な敷地にある五喬院家の豪邸である。
この家で五喬院晶が暮らしている。
現在は、彼女の両親が別の場所にいて、この家にはいない。 他に執事やメイドや侍女といった使用人が晶の世話をしている。
その使用人の数は、およそ20人はいる。
この豪邸……門から玄関まで、一体どのくらいの距離があるのか、よく解らないけど、たぶん歩いて一日で着くのかどうか、という距離である。
その玄関から中に入ると、すぐに広いエントランス (一階) に出て、エントランス左右端には、上階へ上がる階段があって、また真ん中には大きな扉がある。
二階へ上がる階段を登り二階へ上がると、色々な部屋があって部屋の数が多く、それぞれの部屋の中には、シャワー・トイレが備え付けられてる。
また真ん中にある大きな扉を抜けると、広い部屋 (一階) があって、その中に焦げ茶色の細長いテーブルに、同じく焦げ茶色の椅子が左右にズラリと並んで置いてあって、ここが食事をする場所だと思われる。
他にも奥の方にある料理場 (一階) には、専用の料理人がいて調理する。
それとお風呂は一階と二階に、それぞれ大浴場があって、トイレも一階と二階に、それぞれいくつもある。
それと、とにかく廊下が一本道で長い。
そして、三階が晶の部屋である。 正確に言うと他にも部屋がいくつかあるけど、三階は晶が所有してる為に、三階へは晶に認められた者だけしか上がってこれない。 さらに一部の選ばれた執事やメイドや侍女以外に、晶の部屋に入ることができない。
五喬院晶の豪邸 (三階建て)
一階……玄関・エントランス・ダイニングキッチン・調理場・リビング・大浴場・トイレ (複数個)
二階……個室部屋 (シャワー・トイレ・内線電話完備) が約10個はある。 フリースペース・大浴場・トイレ (複数個)
三階……晶の部屋 (シャワー・トイレ・内線電話完備) が三部屋分の広さである。 その他にも部屋があるけど、晶の許可が必要。
庭……広い庭のはなれにも部屋 (シャワー・トイレ・内線電話完備) があり、ここに陸堂瑛や陸堂翼や『暁恵』が住み込んでいる。
最初、晶は三階の自分の部屋の隣の部屋に、瑛や翼や『暁恵』に住んでもらうように希望したけど、そこで瑛が「三階など論外、動きにくい。 はなれの部屋を使わせてもらう」と言い、これに翼も『暁恵』も承諾して、現在は三人ではなれの部屋に住んでいる。
そのため、晶の方がはなれの部屋に頻繁に来るようになって、今現在では晶用にはなれの部屋の建設が検討される始末である。
だがしかし、この瑛の判断・行動は決して間違いなどではなく、陸堂兄弟はあくまで『暁恵』の護衛の任務についてるだけであり、晶の豪邸に泊まりに来てる訳ではない。
そのため、何かあった時の為にも、はなれの部屋に一時的に住まわしてもらうことこそ、一番のベストである。
それと晶や使用人らに迷惑がかからないように、はなれの部屋に住んでいるのに、この隣に晶用の部屋を造るなど、まさに本末転倒であり、瑛たちの説得も虚しく、現在は建設計画に入ってる段階であり、どうしても晶は瑛たちと一緒にいたいようだ。
ここでしばらくの間、瑛と翼はこんな状況で『暁恵』の護衛を続けており、瑛たちの自宅にいる子犬や子猫たちの世話を後輩の柊沢統一や佐久間花織たちに任せている。
ここは日本の京都府の某所 (その2)
ある日の夜のこと
そこに某ホテルがあり、その上階にハリー・ダグラスが宿泊しており、同じ階には斎藤要一も宿泊している。
この二人、少しばかり因縁がある。
そのハリー・ダグラスが漆黒のスーツとコートを着て、伝説の七聖剣のひとつ『ロンギヌス』を携えて、某ホテルから外へ出た。
続けてすぐ斎藤要一も漆黒のスーツとコートを着て、伝説の七聖剣のひとつ『ウロボロス』を携えて、某ホテルから外へ出た。
一体何の目的があって、ハリー・ダグラスが某ホテルから外に出て、一体何処へ向かっているのか、今のところは不明だけど、彼のすぐ背後には斎藤要一がぴったり尾行してることに気づいていないのか?
普段から人の通らなさそうな薄気味悪い薄暗い路地裏を選びながら、そこに若い女性を襲う〈アウターマウカー〉(ステージ3) たちを、上空からハリー・ダグラスや斎藤要一が『ロンギヌス』や『ウロボロス』を用いて、若い女性を直接襲う〈アウターマウカー〉(ステージ3) だけの首を刎ねながら、強靭で異常な跳躍力で飛び跳ねながら、先へ進むハリー・ダグラスと斎藤要一。 先に言っておくけど、この二人は決して味方でも仲間でもない。
やがて、この二人がとある大型の倉庫に辿り着き、その大型の倉庫の正面にある大きな鉄の扉の目の前まで来たハリー・ダグラスが突然―――
「………」
そこでハリー・ダグラスが後ろを振り向き、斎藤要一がいると思われる方向へ静かに話し始めた。
「キミはボクの監視役か?」
「………」
斎藤要一の隠蔽隠密能力で姿は見えない筈だけど、それでもあえて話しかけるハリー・ダグラス。
「どうか邪魔だけはしないでくれよ。 ボクの目的はある意味、キミたちの為でもあるんだからね。」
「………」
「ふふふ、まさしく現代のニンジャだね。 キミも」
「………」
「ふっ、どうやら邪魔して来ないか? 本当にただの監視役のようだね」
しばらく後ろを見渡したけど、斎藤要一の姿が確認できずに邪魔されないと判断したハリー・ダグラスが『ロンギヌス』を構えて、大きな鉄の扉の隙間から刃を入れて、扉を抉じ開けようとする。
その様子を斎藤要一が少し離れた場所から、ただ黙って見ているだけである。
そして、ハリー・ダグラスが扉を開けると、一瞬だけ倉庫の中がピカァッと明るくなって、またすぐに暗くなった。
「うっ!?」
「…!!?」
一瞬だけ倉庫内が明るくなったことで、ハリー・ダグラスが手で目を隠し、直射を遮ってから、またすぐに倉庫内が暗くなると、ハリー・ダグラスは倉庫内に入っていった。
一方の斎藤要一も静かに姿が見られない状態で、まるでハリー・ダグラスの後を追うように倉庫内に入っていった。
果たして、この倉庫内に一体何があるのか?
そして、この二人、ハリー・ダグラスと斎藤要一の運命やいかに!?
次回に続きです。
また少しお休みします。




