~後編~
前・後編で、お送りいたしております。
昔、昔、ある国のお城に、シンデレラと言う美しい少女がいました
「だから、何度も言わせるなって!僕は男だ~!」
失礼、男の子のシンデレラは、母親の無理矢理の事で、兵隊に連れられて
お城の中で暮らす事になったのでした
「くっそ・・・・良し、今だ!」
シンデレラは、ともかく「自分は男なので、王子と一緒にいられるか!」
といつも想っていて何度か脱走を試みました
けど、何回やっても、兵隊に見つかり、お城に連れ戻されます
けれども、シンデレラは、あきらめると言う事はなく
今日も、お城から逃げる方法を、考えているのでした
「今日の脱出方法は、まず城の城壁を鉤つきローブで城壁の先端に引っ掛けて、脱出しよう」
この方法は、忍者のようですか、どうしてシンデレラは知っていたんでしょうか?
ま、ともかく・・・シンデレラは鉤つきローブを思いっきり回して
遠心力を付けて城壁の先端に引っ掛けました
「良し!成功だ!」
シンデレラは、成功したのを確認して一気に上り上がりました
そして城壁突破をして、城の外に出て、真っ直ぐ逃亡したのでした・・・
(お城内部)
その頃、王子はと言うと、シンデレラの事を探しているのでした
「シンデレラ?私の愛しいシンデレラは何処だ?」
その時、王子に話し掛けて来る者がいたのでした
「王子・・・一つ言いにくい事があるのですが、よろしいですか?」
「何だ・・・?私に言ってみよ」
「誠に申し訳ありませんが、シンデレラ様が、これで百三十回目の脱走をしました」
そこまで逃げるとは・・・
本当に嫌なんでしょうね?シンデレラは
「またですか・・・シンデレラは、私の事が嫌いなのかな・・・」
その通りです、王子様、じゃなきゃそんなに脱走をしません
「直ぐに兵を集めて、我が愛しきシンデレラを捜索を命じる!」
「は、了解であります、王子様」
こうして、これで百三十回目のシンデレラの捜索をするのでした・・・
(外、見知らぬ平原)
「ここまで逃げれば、安心かな・・・」
一方シンデレラは、王子の城からかなり離れた所にいるのでした
「さて、これからどうするかな・・・・ん?」
シンデレラの所に、魔法使いがやってきました
「何か困り事かな~?私は偉大な魔法使い、貴方の願いを叶えるわよ~♪」
「あ、魔法使い!丁度いい所に!僕の願いを聞け~~!」
「ん?貴方は??」
魔法使いは、シンデレラの顔を見て、うなずくとすぐに本を出現させて何かを調べていました
魔法使い=「貴方は・・・シンデレラさんですね・・・一回の魔法を使いましたから、今回は残念で~っす、いけないいけない飛び出す場所と人物を間違えちゃった~てへ?」
「は・・・?」
「では~さようなら~」
魔法使いは、そう言ってシンデレラから離れました
「・・・・何もしないなら、話しかけるんじゃない!」
シンデレラは、そう叫んでいるのでした
「あ、見つけましたよシンデレラ様」
「あ・・・」
シンデレラは、お城の兵隊に見つかったのでした
「さあ、帰りましょう、シンデレラ様」
「い・や・だ!」
シンデレラは、一目散に逃走しました
「逃げちゃいけません、シンデレラ様、申し訳ありませんが」
兵隊は、シンデレラに向かって、当て身を食らわせました
「う・・・・僕は、結局不幸なんだ・・・・」
(当て身を食らって、シンデレラ倒れる)
バタっと倒れて、動かなくなったのでした
「では、連れて帰ります」
こうして、シンデレラの願いも虚しく、百三十回目の逃走は失敗したのでありましたとさ
それからどうなったのかと言うと
なんだかんだで、結局、三ヶ月経過してしまいました
その間に、王子様が「シンデレラ、愛してる」とキスを迫ったり
抱きしめてきたりしましたが、シンデレラは、危険を感じ
王子から逃げまくっているのでした
「ここに来て、三ヶ月・・・僕は一生この城に暮らす事になるのかな・・・王子に、僕が男だよって言っても、なんか信じてくれないし・・・」
シンデレラは、そう言っていました
すると、シンデレラの元に兵隊がやって来ました
「どうなされました?シンデレラ様?」
「どうしたもこうしたもない、ちょっと聞きたい事があるが、いいか?」
「私の答えられる事でしたら何だってお話しますよ」
シンデレラは、兵士にこう言いました
「僕は男だし、こっから逃げたいんだけど」
「却下です」
即答で返されました、シンデレラは、怒りました
「何でだよ!」
「王子様から言われておりますので、ここからいなくなるのは却下です」
「何だよそれ!!僕は抜け出す!」
「あっシンデレラ様!お待ちくだされ!」
シンデレラは、お城から脱出しようとしました
「シンデレラ様!ここから脱出されると、私が怒られてしまいます!どうかやめて下され!」
「やだ!なんと言われようと僕は脱出する!」
そう言って、シンデレラはお城から逃げ出しました
その光景をみた兵隊は、王子の元に連絡するのでした
「僕は自由に生きてやる~!」
そう言いながらシンデレラは、お城から抜け出す事に成功しました
一方兵士はと言うと
(場所変わって、王子の部屋)
「王子様!」
兵隊は、王子のいる場所にいきました
「何だ?どうした」
「シンデレラ様が城から抜け出しました!」
「またですか!シンデレラ・・・私の側にいるのがそんなに嫌なのか!?」
そのとおりです、じゃなきゃ脱走はしないと思います
「一体どうしたら、シンデレラは私の側にいてくれるのか・・・」
王子が悩んでいると、魔法使いが王子の部屋にやって来ました
「何か困り事かな?私は偉大な魔法使い~貴方の願いを叶える為に参上~☆」
「ほっ本当に私の願いを叶えてくれると申すのだな?」
「うわ、近い近い、もうちょっと落ち着いてくれないかしら?但し願い事は一つまでで、物騒なものはお断りですよ」
王子は、それを聞いて考えました、数分後王子はこう言いました
「じゃあ私の愛するシンデレラをこの城から抜け出せないようにしてくれはしないか?」
「その願いでいいのね?、わっかりました、叶えてあげましょう~」
「ああ、頼むぞ」
王子様がそう言うと、魔法使いは、王子の部屋から出て行きました
一方その頃、シンデレラはといいますと
「ここまで逃げれば安心かな・・・」
シンデレラは、お城からかなり離れた場所にいました
「僕は・・・自由になったんだ~!」
シンデレラは、素直に喜んでいました、喜んでいると魔法使いがやって来ました
(シンデレラの元に魔法使いやって来る)
「シンデレラ、はっけ~ん」
「お、お前は魔法使い!一体僕に何の用だ!」
「王子様から言われて来ました、シンデレラ、貴方をお城に連れて帰ります~」
「ちょっとまて!」
「はい?何でしょうか?」
「僕に拒否権は無いのか?」
「はい、ありません、と言うか王子様の願いなので、私は叶えるために来たのですよ」
魔法使いは、笑顔でそう言いました、シンデレラは、それを聞いて怒りました、
まあ当然ですね~
「い・や・だ!誰があんな城に戻るか!僕は戻らないからな!」
シンデレラはそう言いました、魔法使いはう~んと考えて
「じゃあ、こうしましょう」
魔法使いは、そう言うと呪文らしき言葉を言うのでした
「アブラカタブラ・・・心変わり~!!」
「何だ!その変な呪文は!うわ!」
シンデレラは、その変な呪文を喰らって、思っている事が逆になってしまいました
「私・・・王子様とず~っと一緒にいたいかな・・・」
「じゃあ、王子の所に戻りましょう?貴方の事を王子様は待っています」
「解りました」
魔法使いはまんまとシンデレラを戻す事に成功したのでした
やり方が汚いですけど
魔法使いは、シンデレラをお城に連れ戻したのでした
(場所変わって、お城内部)
「シンデレラ様、おかえりなさいませ~」
王子の部屋に、何故か兵隊がいるのでした
「逃げて御免なさい、私、間違ってました」
「ん?いつもなら逃げるとか言ってたシンデレラ様が・・・一体何をしたのです??」
兵隊は、魔法使いに問いかけました
「それは企業秘密です、教えません」
魔法使いは、そう言いました
話していると、王子がやって来ました
「おお!お帰りシンデレラ、もう戻ってこないかと思ってたぞ」
「逃げ出しちゃってすいません、王子様、私、もう貴方の所から離れません、王子様・・・愛しています」
「そうか・・・私もだぞ!シンデレラ!」
王子はそう言って、シンデレラを抱きしめ、キスをぶちかましました
「我々はどうやらお邪魔みたいですな、ではごゆっくりと」
「私もお邪魔した方がいいみたいね?それでは二人ともお幸せに」
「さっシンデレラ、私とこれから仲良くずっと暮らそうじゃないか」
「はい・・・王子様」
こうして、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ
「王子様、願い事をシンデレラを女性にしてとか願ったらよかったのに、跡継ぎとかどうするのかしら?ま、二人が幸せなんだし?これはこれで、いっか・・・」
そう、魔法使いは、呟いていたのでした・・・