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やきどうふ

作者: 虚鉄

 道端に焼き豆腐が落ちている。

 綺麗に焦げ目のついた、おいしそうな焼き豆腐だ。

 あたりに人気はないが、この通りはたまに車が来る。このままではこのおいしそうな焼き豆腐がミンチになってしまうではないか。

 勿体無い。それは非常に勿体無い。

 私は偶然鞄に入っていた紙皿にそれを乗せ、しげしげと見つめた。

 それは角が削れているでも罅が入っているでもなく、出来立てと称して居酒屋で出しても問題ないだろう。

 しかし、私もいい大人だ。まさか地面に接していた焼き豆腐を口に運ぶなどということはしない。

 ……しない。

 …………しない。

 ………………しない。

 しかし、腹が減った。

 昨晩自宅の鍵が入った財布を落としてから、気づけばミンティアしか食べていない。

 腹が減っては戦はできないし、ミンティアで腹はふくれない。

 周囲を見渡す。人の気配はない。

 少しくらいなら――

 そのときだった。

 突如として、一羽の烏が頭上の電線から飛来し、私の後頭部を蹴り飛ばした。

 予期せぬ衝撃に、私は前のめりにアスファルトに突っ伏した。

 顔を上げた時には既に手遅れ。

 手元の焼き豆腐は空中に放物線を描いて、紙皿ごと元あった場所に着地した。

 角が削れるでも、罅が入るでもなく。

 私は理解した。あれは、あの場所にあるべきものなのだ。

 意味とか理屈とか、そういうことじゃなく、そこにあるべきで、間違っても私ごときが移動させたり、食べてしまっていいものではない。

 私は立ち上がり、膝を軽く掃う。

 そして、再び財布を探すため、歩き出した。


 始めまして、虚鉄と申します。

 稚拙どころかヤマもオチもないような文章でしたが、読んでいただきありがとうございました。

 これからも気が向いたらいろいろ掲載していきますので、偶然目に止まったりして読んでいただけたら、それはとっても嬉しいなって。

 では、ありがとうございました。

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