小説家になりたい! 滝沢馬琴に弟子入断られたけど、北斎先生に拾われて絵師になりました。~だけど勝海舟に才能を見出され、私塾の講師として蘭学を教えるのなんで?~って人生をリアルで送った男の話
え~、推しについて書くエッセイです? ということで、凄いはずなのに埋もれている歴史上の人物を紹介しましょう。
名前は本間郡兵衛。山形県酒田市の豪商、本間家の分家の生まれ。あくまで分家だけど、勉強はできて色男。とにかくモテた。
一度は秋田の下級武士の家に婿養子に入ったが、素行が悪すぎて戻されたのでした。
そこで地元にいられなくなり江戸に出ると蘭学を学んだりして見たら才能が開花。
でも、なぜか小説家になろうと滝沢馬琴に弟子入りを申し出るが失敗・・・
なんども通うが弟子にはなれず、見るに見かねた葛飾北斎が弟子にして(なんで?)北曜という名を貰ってたのです。
ここまででもうお腹いっぱいなのですが、画家をやりながら、黒船を見に行ってはスケッチをしたかと思うと(絵は残っています)。新選組を作った(と言っていいのか?)清川八郎や、ジョン万次郎、榎本武明などと親交を持ち(どういうこと?)日本と世界の置かれている状況に巻き込まれていきます。
勝海舟に気に入られ、私塾の講師を任され蘭学の講師になったり、長崎海軍伝習所で通訳をさせられたり引っ張りまわされます。
長崎では、「これからはオランダ語ではなく英語だ」と英語を習ったり、『へボン式ローマ字』を作ったアメリカ人医師 ジェームス・カーティス・ヘボンの家族を流れでかくまったり、ロンドンで写真に写ったりしていました(なぜ?)
そんなこんなで、勝海舟のおかげなのか人脈がさらにとんでもないことになり、今度は薩摩藩で英語教師になります。
薩摩藩の若手や主要人物のほとんどと面識を持つようになった本間郡兵衛。英語教師をやりながら、とんでもない企画を出します。
「株式会社を作る!」
そう、坂本龍馬の亀山社中よりも先に総合商社を作る案を出していたのです。
「酒田の本間家を巻き込めば実現する!」
そう思った郡兵衛の案は、五代友厚や小松帯刀に認められ、酒田に行くことを正式に許されたのです。
ところが時期が悪すぎた。
これから戊辰戦争が始まりそうな、薩摩藩と庄内藩(酒田)の仲が悪かった最大ピーク時。酒田の手前、鶴岡を通った時に、スパイ容疑で捕まり投獄。そのまま牢で不審死を遂げたのでした。
なんなのこの人! って感じですが実在の人物です。
そして埋もれています・・・
西郷隆盛も絡むのですが、なんというか、資料見ながら書いていても嘘っぽい・・・
大河ドラマにできそうなのですが、作ったら実在の人物だとは思われないであろう巻き込まれ方主人公です。
波乱万丈にもほどがあります。それが本間郡兵衛という人です。