音がうるさいです
ちょっと体調悪いので、ショートショートで……。
「音がうるさいです」
俺の住んでいる地球に、そんなクレームが届いた。
宇宙間通信は、アナログだ。なんたって、まだデジタルに移行していない文明だってあるからな。
「かなりまずい状況だな……」
クレーム担当である俺は、そのクレームを見てそう思った。
俺は、すぐに「申し訳ありません」と書いた手紙を送り返した。
正直、クレームが手紙で来るのはたいへん助かる。
俺はクレーム担当でありながら、耳が聞こえないのだ。
だから、どれだけうるさいか、全くわからないのだが――。
数カ月後、またクレームが届いた。今度は、この前と違う星だった。
「音がうるさいです」
はて。そんなはずはない。
俺はカーテンを開け、外の景色を眺めた。
すると、巨大なハサミを持つ生物が俺を見つけて襲いかかってきた。
そいつは真っ赤で、ハサミをがしゃんがしゃん動かしていた。
そいつが一歩進むたび、地面が抉れて砂が舞った。
音が聞こえない俺にも、すぐにわかった。”うるさい音”を出しているのはこの生物だと。
――そうだ、そんなはずはなかった。
だって、俺は地球最後の”人類”なのだから。
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