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【SF 宇宙】

前時代的なものに頼らない進化

作者: 小雨川蛙

 世界で最も進化に成功した愚かな生き物が何やら研究をしている。


「進化なんて前時代的な方法で前へ進む必要などない」


 それがその生き物の主張だった。


 確かにそうかもしれない。

 何せ、進化をするためには気の遠くなる時間をかけて何世代もの世代交代を経なければならない。

 おまけにその進化は必ずしも成功するわけではない。

 進化に失敗した種族など星の数ほどいるのだ。


「だからこそ最良を選べば良いのだ!」


 そう言いながら、その愚かな生き物は奇妙なことをしていた。

 どうやら、様々な薬品を使って遺伝子を操作しているらしい。


 確かに生物は明らかに不要としか思えない機能を持っているものもいる。

 どうやら、あの愚かな生き物はその取捨選択をしているらしい。


「こうすれば無駄なことに労力は使わずにすむし、何より数世代を飛び越えるような進化も出来る!」


 愚かな生き物はそう言っていた。

 彼は分かっていないのだ。

 一見不要に見えるような能力でも、生物が持つものは必ず何かの役に立っていることを


 』


 ・

 ・

 ・


 不意にディスプレイの映像が消えた。


「はい。以上が旧支配者達が何故滅びたかの動画になります」


 そう言って先生は僕たちを見回す。


「彼らの持っていた技術は私達に匹敵あるいは凌駕していたとも聞きます。しかし、遺伝子操作なんて余計なことしたせいで、この後に流行ったウイルスにより全滅をしてしまいました」


 そんなことだろうと思った。

 僕は欠伸を噛み殺す。


「彼らの行動を見て私達が何に気をつけなければならないか、感想文と共にそのことを書いて提出をしてください」


 先生の言葉を聞きながら僕はノートに文字を書く。

 感想文の一行目。

 しかし、それ以上の文章が書けない。


「これ以上なんて書きゃいいんだよ……」


 呟きながら僕は改めて自分の書いた文章を読む。


『人間は愚かだった』



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