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田中広木は仕事が出来ない。
田中広木は実家のベッドで目が覚めた。田中広木は憂鬱な気分だった。なぜならバイト先で田中広木は上手くいっていないからだ。2週間前にそのバイトを始めた田中だったが、全く仕事が出来ずその後のシフトを入れてもらっていない。バイトを始める前までは自信に満ち溢れていた田中広木であったが、現実はそう甘くない。昔から何においても要領が悪く不器用な田中広木がそう簡単に社会でやっていけるわけがない。田中広木は絶望していた。こんな自分の将来が不安なのだ。田中広木は二度寝した。