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#002─無能1


 俺が異世界に転生してから三年程の時が経ち、俺は三歳の誕生日を迎えようとしていた。

 この世界では三歳の誕生日に属性を検査する様だ。

 属性は炎、水、風、雷、地、光、闇の計七種類あるらしい。

 なんでもこの属性が無いと魔力を現象に変換でき無いらしい。


 父は雷、地の二重魔術使デュアル・キャスター、母は炎、水、風の三重魔術使トライ・キャスターだ。

 三重魔術使トライ・キャスターは余り居ないらしく、母は宮廷魔術使として働いておりその名は国内だけでなく国外にも知れ渡っている、そしてそんな母の子供である俺達は期待されているのだ。

 そしてその期待に答えたのが二歳上の姉エイミーだ。

 属性は炎、雷、地の三重魔術使トライ・キャスター、数十年ぶりに三重魔術使トライ・キャスターが誕生したという事で姉の誕生日は盛大に祝われた。

 そんな事が有り、長男である俺がもうすぐ三歳になる事を周りは凄く待ち望んでいるのだ。


 正直言って期待してくれるのは嬉しいのだが、前世で期待された記憶なんてなくどうすればいいのかわからない、それに期待に応えられるかどうかが心配でかなりのストレスが溜まっている。

 そんな事を知らずに伝説の四重魔術使クァッド・キャスターになるかもしれないと噂する者までいるのだ、期待の眼差しを向けられるのが嫌なので最近は外出していない。

 子爵家の生まれという事もあり外に出なくとも十分生活できるのだ。

 それもあり二ヶ月近く外出せずに三歳の誕生日を迎えた。


 誕生日当日、家には大勢の人がやって来て俺の誕生日をお祝いしてくれた。

 そして時間が経ち今日のメインイベントでもある俺の属性検査の時間がやって来た。

 俺は大勢の人が見守る中、部屋の中央に設置された水晶に手を翳す。

 属性検査は異世界物で定番の水晶を使用するらしい、俺も初めて聞いた時はテンプレだと思った。

 そんな事は置いといて、水晶に手を翳してから少し経つのに水晶に何の変化も表れない。

 しかも周りで見守っていた人達がざわつき始めているのだ。


「そんな…レイラ様の御子息が無属性むのうの筈は……」

「レイラ様の御子息だぞ、無属性むのうなど何かの間違いの筈だ」

「水晶が壊れたのかもしれない早く他の水晶を持ってこい!」

 大慌てで新しく持ってきてもらった水晶に手を翳すがまた反応無し。

「これはやはり……」

「落ち着いて聞いてください。誠に信じられない事ですが、貴方はどの属性にも適性がありません。言いにくい事ですが貴方は世に言う無属性むのうです」


 属性は親からの遺伝が大きいらしく、今まで二重魔術使デュアル・キャスター三重魔術使トライ・キャスターから無属性むのうの子が産まれた例は聞いた事が無かったので、自分も二つか三つは適性があると思っていたのだが、まさか無属性むのうだったとは思いもよらなかった。


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