リリーとキップ
童話にもなってはいないかと思いますが、暇つぶしにでも読んでもらえたら嬉しいです。
うさぎのリリーと、犬のキップ。二人は仲良しで、いつも一緒。でも天気のいいある日のこと。キップが言いました。
「ちょっとお出かけしてくるから留守番してて」
そう言ってキップは出かけました。
お留守番をすることになったリリー。
洗濯物もお昼御飯も一人でしなくっちゃ。
リリーは洗濯物を掴みました。けれど困りました。洗濯、したことがなかったのです。
「これかなぁ」
リリーは洗濯機のボタンをポチ。
脱水。がたがた。がたがた。
洗濯機が震えて、リリーはびっくり。
お水を入れなくちゃ。そうして慌てて持ってきたのは、新鮮な牛乳。白くするにはやっぱりミルク。
リリーは注ぎます。
どぼどぼ。
あぁあぁ。
真っ白に、そうして、くっさくなった洗濯物を確認すると、リリーは蓋を閉じました。
「これでよし」
次はお昼ご飯。何を作ろうかな。
オムライスが食べたいな。
リリーは袖をめくりました。頑張って作ろ。
ご飯を炒めて、ケチャップを入れて。胡椒を少々。
でも、あらら。
何だか出が悪いわぁ。
この、この!
どば。
あぁ…。なんてこと。
中身が全部出ちゃった。
しかも。
我慢はしたけれど。
くしゅん。
リリーは鼻水と一緒にライスにくしゃみをしてしまいました。
あぁあぁ。
おいしそうだったライスが。
まぁ、このくらいはご愛嬌。
その後、リリーはキップに出しました。
勿論、くしゃみをしたオムライスをね。