表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

バレンタイン③

学校中そわそわ騒がしいなぁ

まぁ、今日はバレンタインデーだから仕方ないか・・・

昨日さやから『バレンタインのチョコ楽しみにしててね』って言われたけど、何作ったんだろう?



今日ばかりは生気のない部員たち

のろのろと走っている。

「おい、お前らしっかりしろ!」

そう叫ぶ高宮先輩も少し元気がない。

「そーだぞー」

便乗する伊江先輩は生き生きしている。

誰かからチョコレートを貰ったのだろう。

「イツキはいいよな、モテて・・・」

「男は顔なんだろうか?」

藤木先輩を筆頭にモテない男たちはとうとう走ることすら止め井戸端会議を始めた。

「あれ、そう言えば真は?」

井戸端会議に参加していない伊江先輩は同じく会議に参加していない俺に尋ねる。

「そう言えば居まs「ウッス!」

片手を上げ挨拶とも返事ともとれる声を響かせ真が姿を現した。

片手には白い紙袋、後ろには同じく白い紙袋を持ったさやが居た。

「楠本くん、ありがとう」

言いながらさやは真から紙袋を受け取り、中身を部員たちに配り始めた。


さやが手渡しているのはカップケーキのようなものだ。

ちなみに俺はまだチョコレートを貰っていない。

さやからチョコレートを受け取っている部員たちが羨ましい


結局、部活が終わるまでさやは俺にチョコをくれなかった。

着替えも終わり、カバンを下げ帰ろうとすると

「裕くん、一緒に帰ろう?」

笑うさやにつられて笑う

「あぁ」

帰り道を2人で歩く

他愛のない話をしているうちにさやの家についてしまった。

「裕くん」

立ち止まったさやは呼ぶ

「Happy ValenTine」

にこりと笑って紙袋を差し出した。

「また明日ね」

唖然としている俺に紙袋を握らせ、帰っていった。



家に帰り、なんとなく静かに自分の部屋に入って紙袋から箱を出す。

なかに入っていたのは綺麗にチョコレートでコーティングされたホールケーキ

後で知ったが、ザッハトルテとかいうチョコレートケーキだった。

甘くほろ苦い。

少し洋酒の効いたケーキは絶品だった。


ホワイトデーのお返しに悩みそうだ


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ