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ハロウィン

「カッパって英語で何て言うんだろ?」

部活が終わり、皆が帰る準備をしていたときにふと伊江先輩が言った。

「わかった」

藤木先輩が手を上げた

「Kappa」

然り気無く凄く発音が綺麗だ

でも、明らかに違う

ローマ字表記にしただけじゃん!

帰り支度をしながら内心突っ込む

「先輩、違いますよ

river childrenですよ」

childrenは複数形だからriver childになるだろうと思いつつ考える

「章、わかってないな・・・

今日はHalloweenじゃないか

Halloweenといえば妖怪

妖怪といえばカッパじゃないか」「イツキ、HalloweenならKappaじゃなくてmonsterじゃね?」

みんな無駄に発音が良い

「何の話ですか?」

後ろから声をかけられた

全員が振り替えると、黒い猫耳にフリル付きの黒いエプロンドレスを身に付けた永谷さんが立っていた。


ヤバい、マジ可愛い


「さやちゃん、似合ってるねー」

「高宮先輩ありがとうございます」

永谷さんは頬をほんのり赤く染めながらお礼を言った

「さやちゃん、trick or treat!!」

伊江先輩が永谷さんにハロウィンの決まり文句を投げ掛けた

「こんなものでよければどうぞ」

彼女が伊江先輩に手渡したのは激辛で有名なスナック菓子

「げ・・・マジ?」

余談だが、伊江先輩は辛いものが苦手だ

心なしか顔が青ざめているような気がしなくもないような気がする

「ウソです、こっちをどうぞ」

笑って彼女は手作りと思われるお菓子の小さな袋を手渡した。


作ったのかな?

「結局、何の話してたんですか?」

気が付くと目の前にお菓子の袋を手渡している永谷さんが居た

「あー・・・あれね

カッパって英語で何て言うんだろうって言ってたよ」

袋を受け取りながら答えた

永谷さんは少し考えるような素振りをしてからポツリと

「raincourtじゃないですか?」

と言った。

確かにそうかも知れない

Kappaやriver childrenよりは余程まともな答えだと思った

「違いますかね?」

「さぁ?

でも今までのなかでは一番答えらしい答えだと思うよ」

苦笑いをしながら言った

なんとなく想像がつくのか永谷さんも笑った


「今さらだけどさ、その格好似合ってて可愛いよ」

顔と耳が熱い、でもなんとか噛まずに言い切った

「・・・ありがとうございます」

ちらりと永谷さんを見ると耳が赤い気がする


ハロウィンの甘いものはお菓子だけじゃなかったらしい


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