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短編・詩 恋愛

知りたい、気持ち

作者: 些稚 絃羽

―目を見て。

―口を見て。

―表情を見て。

―仕草を見て。

―ねぇ、解るでしょう?



なんて、解る訳がない。

顔だけを見て全てが解る訳がない。

言葉にしてくれなきゃ、解ってあげられないよ。

全部言葉にして教えてよ、君の気持ち。



1つの思いを表す言葉も1つじゃなくて。

それは10も100もあって。

たった一言じゃ解らないんだ。

1だけ伝えて10を理解させようなんてしないでね。

私が沢山話すのはそういう事だよ。

解ってほしいからなんだ。



君の気持ちの10も100も教えてよ。

きっと時間はすごくかかるし、

君をやきもきさせるだろうけど。

君の気持ちの全てを知りたいんだ。

些細な事でもいいよ。

大きくなくていいから。

私に全てを教えてよ。

君の言葉で伝えてよ。



―目を閉じて。

―口を閉じて。

―耳を澄まして。

―声を聞いて。

―ねぇ、解るかな?

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