近藤の悲劇
今日は、いつもより早く起きた。なのにあまりスッキリしない。
昨日のことをまだ引きずっているのだろう。
家を出て歩いていると、女子生徒が歩いているのが見えた。
一目で分かる、明日香だ。
胸が高鳴るのが自分でも分かった。声をかけたい衝動にかられたが声をかけることはしなかった。
授業を一通り終え昼食を食べていると、女子生徒がこちらにやってきた。
「こんにちは、龍一君。おじゃましていい?」
俺は生まれて初めて口を開けたまま静止した。なぜなら明日香が目の前に立っているからだ。
一緒に食べていた近藤も、くわえていたパンを落とし「どういうこと?」と言う始末。
「ねぇ、大丈夫?」
明日香が覗き込んできた。なんともいえないいい匂いが顔にかかり意識を取り戻す。
「あ、あぁ大丈夫だ、気にしないでくれ」
俺のこの発言により意識を取り戻した近藤はすごい勢いで俺に詰め寄ってきた。
「おおおおまえどっどどどっどういうことだぁぁぁー」
近藤が叫ぶ。
「うるせえよ、馬鹿。ちょっと少し黙っててくれないですか!!」
イライラ度MAXで俺は答えた。
「ふふっやっぱりおもしろい」
明日香の笑顔にケンカ寸前だった俺達は、また意識が飛んでしまうのだった。
数分後、意識を取り戻した俺は高鳴る鼓動を沈めつつ尋ねる。
「何しにいらっしゃったのですか?」
ちなみに、近藤は意識を取り戻したが、この現実を受け入れることが出来ないのか、さっきからず一っとぶつぶつ言っている。
「ねぇ、あの人どうしたの?」
明日香が心配そうに聞いてくる。
「あぁ気にしないでくれ、あぁいうやつなんだ。それで?なにしにいらっしゃたんですか?」
俺は明日香に言った。
「別に、ただ会いにきただけだよ。」
明日香は笑顔で答えた。
その顔に落ち着いてきた心臓が飛び跳ねる。
その後ようやく元に戻った近藤も交え昼休みギリギリまで喋り続けた。
どうも、こんにちは上田次郎です(^_^)ノ
今回は久しぶりの近藤君の登場ですね。
彼は自分の中で割と好きなキャラなのでこれからもちょくちょく出していきたいと、思っています。
それでは次回、また合いましょう。