片思い?両想い?
家に帰りテトに今日の戦況報告をした。
(よかったじゃん!!とりあえず、一歩前進だね。)
テトは、自分のことじゃないのにとても喜んでくれた。
(一歩前進?)
(うん、あれ?その子のことまだ好きなんでしょ?)
テトの発言に俺は戸惑ってしまった。
(えっそうなの?)
(違うの?)
(それがいまいちよく分からないんだ)
(どうして?いっしょに喫茶店行けて嬉しかったんでしょ?)
(それはもう、ものすごい嬉しかったです)
(じゃあまだ好きってことじゃないの?)
(でも、一回フラれているんだぞ!もう無理でしょう)
これは俺の本心だった。いつの間にか俺はムキになっていた。
(はぁ、君は、何も分かってないようだね。いい、一度や二度フラれたぐらいであきらめたらダメだよ、もしかしたら今日のことで君のこと好きになっているかもしれないじゃない。)
(そんな事ある訳ない)
(そんな事あるの!)
テトは、やけに熱心に言ってきた。
(だって私も今日この前の人と一緒に喫茶店に行ったけど改めて知り合って素敵だなぁって思ったもん)
(フった男を?)
(うん)
テトの話を聞いてると、頭がおかしくなりそうだ。なぜフった男を素敵だと思うのだろうか。女はよく分からない。
(おまえ、そいつのこと好きになったのか?)
(それはまだ分からないけど・・・でも、気になってはいる)
その後チャットを止めご飯を食べ、布団に入った俺は神崎明日香のことを思い出した。
顔が可愛くて性格もいい、確かに魅力的だ。
でも俺には無理だと、考えるとテトの言葉が蘇ってきた。結局いくら考えても分からないので寝ることにした。
ただ一つ分っていることは、明日香のことを考えると胸の鼓動が早くなるということだけだった