偽世 神域 -過去から今へ-(後)
後篇です(^v^)/
あれから3時間がたった。 私は今家から少し離れた公園にいる。
・・・・おじいちゃんは探しに来ない。
・・・グギュルル。
「お腹すいたな。」
私のお腹は空腹だった。 学校を出たときには11時頃だっただろうか・・・。
そして今は2時。 正直家に帰りたかった。でも、おじいちゃんが居るから・・・帰りたくなかった。
「そうだっ! 家に帰ってもおじいちゃんを無視すればいいんだっ! おじいちゃんだって私をだましたんだもん!無視ぐらいしてもいいよね!!」
私は赤くなった目をこすると、ゆっくりと家へ足を運び始めた。
ガラガラ・・・
「ただい・・・!」
私はあわてて口を手で覆った。
『いけない! 無視するんだ!!』
靴を脱いで家にあがる。 おじいちゃんの居場所を確認するために、初めにリビングをのぞく。
いない。
寝室・・・
いない。
洗面所・・・
いない。
2階・・・
いない。
どこにもいない。
私はあせった。 おじいちゃんが居ないから。
「おじいちゃん!!」
私は思わず叫んだ。 返事がない。
私の脳裏にあの時のことがよぎる。
おじいちゃんが急に居なくなる時と一緒だということに気がついた。
「・・・暗・・・殺・・・・。」
私は2階の階段からリビングへ駆けだした。
いつも、呼んで返事がない時リビングにたまに置手紙が置いてあることがある。
私は、おじいちゃんの行くへを置手紙に委ねた。
・・・あったっ!
私は慌てて置手紙を読み始める。
-神域へ-
さっきはごめんね。
おじいちゃんは神域に心配をかけたくなかったんだ。
こんなのただの言い訳にすぎないって思うかもしれない。
だけど、おじいちゃんはいつでもどこでも神域のことを思っていたよ。
もし、神域がまだおじいちゃんを許してくれるなら。
おじいちゃんは今行っている暗殺のお仕事で暗殺をやめるよ。
でも、今回の仕事は危ないらしいんだ。
もう、神域には会えないかもしれない。
こんな無責任で勝手なおじいちゃんでごめんね。
帰ったらまた、遊ぼうね。何して遊ぶか考えといてね。
おじいちゃんより
「・・・・・」
言葉が出なかった。 私の・・・私のおじいちゃんがシヌ?
イヤダ。 おじいちゃん。 会いたいよ。
なぜだか、さっきとは全く反対のことを思っていた。
それもそのはず、私が大好きなおじいちゃんを嫌いになれるはずないのだから。
最初から決まっていたんだ。 私がおじいちゃんに大好き以外の感情を持てるはずがないと・・・。
私は待った。 おじいちゃんをずっとずっと。
夜になっても。 次の日になっても。 待ち続けた。 学校も行かずに・・・。
待ち続けて4日目・・・。
ピンポーン。
「!!」
私は玄関へ急いだ。 おじいちゃんだ!! きっと!!
ガラガラっ!
勢いよく開けたドアの先にはおじいちゃんではなく黒服を着た怪しい男の人だった。
「どちら様・・・ですか?」
「偽世さんのお宅はここであっていますか?」
「・・・はい。 でも、今はおじいちゃんは留守で・・・」
「そのおじいちゃんについてだが・・・・」
その人から、おじいちゃんの死を知らされた。
「お譲ちゃんにはまだ早いかもしれないけど・・・」
そう言って私に名刺という紙をくれて帰って行った。
おじいちゃんの死・・・・
すごく悲しいのに涙が出てこない。
私は涙を流しすぎて出なくなってしまったのだろう。
名刺に目を通すとそこには
暗殺組織 会長 黒摩利 宰二℡090-××××ー○○○○
「暗殺組織・・・?」
私は興味を持った。 おじいちゃんがやっていた仕事だから・・・。
すると、私の手は無意識に電話をかけていた。
「もしもし-- どちら様でしょうか?」
「私・・・偽世 神域と言います! 私を・・・私を暗殺組織に入れてくださいっ!!」
それから、私の暗殺物語が幕を開けた・・・。
Fin