さよなら
お越しの皆様、おはようございます。こんにちは。こんばんは。
初めましてお目覚めです。少しの時間でもサクッと読めるような作品を投稿しています。
今回は、連載作品でSF作品の特別汎用型機体「OoW」です。第一話です。舞台は人類が宇宙進出して間もないころ、主人公ヘイワズやメカニックビッシュを含む秘密組織は秘密裏に高度なロボットの開発に挑戦していた。しかし、地球の権力を掌握する地球保安軍にその情報が漏れてしまい、ある日ヘイワズ達は襲撃を受けてしまう。大事な人たちと、あてがなくなったヘイワズはそのロボットに乗って地球へ向かう。そのロボットはなぜ地球へいざなうのか。ヘイワズたちに何が待ち受けているのか。連載SFロボット作品。どうぞ、お楽しみください!
(秘密組織名は物語進行上伏せさせていただきます)
施設内に警報が鳴り響く、従業員やメカニック、操縦士たちも慌てた様子だ。船内も赤い光で照らされている。
「ヘイワズ!ヘイワズ!どこだ!ヘイワズ!」
どこからか僕を呼ぶ声が聞こえる。警報鳴り響く船内でも十分聞こえる力強い声。僕はその声がする方へ一生懸命に走った。銃声も聞こえてくる。この船内で何が起きている?角を曲がるとビッシュさんを見つけた。
「ビッシュさん!」
僕は目一杯にビッシュさんの元へ駆け寄った。ビッシュさんの目は焦りに満ち、額には汗をにじませていた。
「ヘイワズ!今すぐここから逃げろ!あのロボットに乗って!」
ロボットは僕が宇宙空間で船外活動をする時に用いていたものだ。でもあれは一人乗り専用。二人もましてや大人数乗ることはできない。
「ビッシュさんは!?ビッシュさんはどうするの!?」
警報が鳴り響く中、僕は大声で聞いた。でもその声は銃声にかき消されるように消えてしまった。ビッシュさんは、何も言わずに僕の腕を強引に引っ張り、いつもの例のロボットが保管されている格納庫へ向かった。何もわからないまま僕はコックピットに乗り込み、ビッシュさんはいつもは触らせてももらえなかったこのロボットの動力源であるコアをはめ込んだ。きれいに青く光る球だ。ビッシュさんがこれをはめ込んだときは、出撃しろという合図でもあった。頭はまだ困惑している。すると、格納庫へ銃をもった覆面の人が5人駆け込んできた。僕は、座ったまま呆然としたままだった。
「積みか…」
ビッシュさんの顔には不思議と少しの笑みが現れていた。
「お前ら、地球保安軍のやつらだろ。保安という布に隠された独裁軍。軍のトップはいまや一番の権力者だ。法でもさばけない」
ビッシュさんは淡々と続ける。
「で、今回コイツを押収しに来たってわけだな。そうか、そうか」
ビッシュさんはこちらにゆっくりと振り返った。
「ヘイワズ、絶対にコイツらに捕まるなよ…!…よし行け!」
これがビッシュさんから最後に聞いた言葉だった。コックピットが降り、出撃準備に入った。
【システム起動、圧力上昇、カタパルト接続完了、オールグリーン、作業員の方たちは直ちに安全区域へ移動してください】
その出撃はいつもより早く、まるで急かされているように感じた。
気を失っていたのか、ショックで頭がパンクしていたのか気が付けば僕は宇宙の海の中。いつもは聞こえる管制室からの呼びかけや談笑中の人たちの声が今日は聞こえない。ただ聞こえるのは、機体制御のためのエンジン音だけ。僕はこれからどうすればいい?皆さん、どうすればいいですか。ビッシュさん、僕は…。目の前が霞む。こんなに静かな空間は初めてだった。このままでいれば、間違いなく食料は尽きてしまう。するといきなり聞いたことがない声がコックピット内に流れた。
「ワープ完了。機体状態平常帰還。オールグリーン」
なんだ、機体状態を通知する声か、そう思った矢先、でも聞いたことがない声だよなと違和感を持った。
「ヘイワズ様。初めまして。オペレーターシステム“アテナ”でございます。只今よりこの機体は、地球に向かって出発いたします。急発進にご注意下さい。」
聞き馴染みのない声に、聞き馴染みのない内容に少し驚いた。地球に向けて!?まさか、今から地球に向かうってことか!?前に聞いた話だと地球からはだいぶ離れた位置に僕たちは生活していると聞いた。少し困惑していると、機体は急加速し始め、僕は後ろに押し付けられた。
しばらくしてこのスピードにも慣れてきた頃、突然機体の左を強い光が横切った。何かデブリか惑星の横を通ったのかと思い、後ろを確認するようにボタンを操作してみると、二機の灰色をしたロボットがこちらを追ってきていることに気が付いた。宇宙配送業者の人たちかなと一瞬思ったが、彼らはそのようなロボットは使わないはずだ。すると、さっきから全然しゃべらなかった”アテナ”がいきなり話しだした。
「機体認識番号0001ENUS1、地球保安軍の主力機体です。ヘイワズ様、撃墜されますか」
地球保安軍!さっき施設を襲撃してきたやつらだ。咄嗟に撃墜してやりたいという気持ちが湧いた。しかし、ビッシュさんの言葉を思い出した。地球保安軍は地球の最高権力組織。ここで敵に回してしまえば地球に着いた後が面倒だ。僕はアテナに逃走の選択をすることを伝えた。すると、アテナは反論するかのように返した。
「ヘイワズ様、すでに私たちは地球保安軍に狙われています。先の施設襲撃から明白です。また、燃料の面でもこのままでは地球まで届きません。撃墜してから奴らから燃料を奪取するのが得策かと」
逃走か戦闘か。でも僕は戦闘経験などもない。迷っている間にも後ろからの攻撃は止まらない。少し考えてから決心した。
「うん、アテナ。戦闘を行おう、やつらを倒して安全に地球に向かおう」
その声は少し出しづらかった。なにせ、戦闘したことがないから。とりあえず、避けることには集中すると心の中で作戦を立てた。立ち向かうように後ろへ機体を向け、敵の攻撃が飛んできた。僕は必死に避けようと無我夢中でハンドルを操作する。しかし、驚くほどに簡単に身軽に避けることに成功した。華麗にも見える動きだ。必要最小限で動いている気がする。アテナに話しかける余裕もあるくらいだ。不思議に思いコックピット内をあちこち見てみる。正面の画面には”ATHENA"の文字。
「もしかして、アテナ。操縦をサポートしてくれている?」
「はい、操縦をサポートしています。地球に向けた運転、攻撃回避、反撃を追加してもよいでしょうか」
これまでの運転、回避行動を手伝ってくれていたのか。それはありがたかったが、反撃の攻撃はどうするのだろうか。作業用の工具は使えたかもしれないが、あれは施設に保管してあった。今は手元にない。もしかして、素手で攻撃するつもりだろうか。すると、機体背後から何かパーツがパージするような音が聞こえた。そのパーツが次々と組み合わせ、つなぎ合わせられ、一つの大きな銃となった。最初は訳が分からなかった。こんな機能がこの機体にはあったのか。まるでもう前まで乗っていたものとは思えない機能がたくさん見つかる。一体この機体は何なんだ。するといきなり男性の老兵のような声がコックピット内に響き渡った。
「しっかり構え、敵をしっかりと見ろ!自分の身は自分で守らなければならん」
僕はあまりにも意外過ぎて驚いた反動でハンドルのボタンを押した。銃の先から水色の光る弾が発射され、敵の機体の一部に命中した。アサルトライフルみたいだと思った。実弾ではなく、エネルギー弾?が発射されているような感じだった。残るはあと一体。僕はその一体に向けて銃口を向ける。だが、ソイツは近接武器を構え、こちらに向かってきた。斧のような形をした武器を片手に持ち、こちらに猛スピードで向かってくる。
「何か、近接の武器はないのか、アテナ」
それに呼応するようにアテナは音声を続けた。
「刀を用意します。近接武器です」
今度はアテナの声。近接武器はアテナなのかと思った矢先、また違う音声が聞こえた。
「刀の切れ味を喰らえー!」
気づくとさっきまでのアサルトライフルが細長い刀のような形に変形していた。敵の斧とつばぜり合いの結果、切れ味で敵の斧ごと敵の機体を一刀両断した。僕は敵の機体二体をやっと倒した。なにかどっと疲れた気がする。
「敵性機体排除完了。ヘイワズ様、燃料を補給したのち地球へ向かいます。よろしいでしょうか」
ついに地球か、初めて行くところだからか心配とワクワクが心を満たしていく。
「うん、行こう。アテナ」
僕はそうアテナに呼びかけ地球への航路に再び足を踏み入れた。
次回作の投稿日は未定です。現役大学生である私の授業中の眠くなった時に手を動かして物語を書き、目覚めさせているので、完成したその日が投稿日です。
次回は、ヘイワズを乗せたロボットは地球へ降り立つ。しかし、地球は知らないことばかり。敵の陣地内で地球に住む人達はもちろん、ヘイワズのことを知らない。八方塞がりかと思われたヘイワズだが、唯一ヘイワズたちの組織を知る者が。これからのヘイワズの運命は如何に。
乞うご期待!




