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伊達政宗の七男に転生?!転移?!         ~伊達宗高伝~  作者: 榊原ヨッチロ
第一部 伊達政宗の七男宗高

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第四十二話 「合同商会の設立」

― 奥州南部、商いの軸が形を成す ―


江戸へ送った三度目の大型船「蔵王丸」から、喜びと驚きの声を詰めた返書が届いたのは夏の終わりであった。


宗高は文を読み終えると、静かに息を吐いた。


「……荒浜新港の力が、これほどとは。」


福地右近が横で頷く。


「はい。出荷量は昨年の倍。

船頭たちは『これでは港が手狭で仕事にならぬ』と悲鳴を上げておりまする。

荷置き場、荷揚げ場の拡張は急務にございましょう。」


「わかった。成実殿にも相談しなければな。」


宗高は荒浜新港のある亘理城主・伊達成実へ書状を送り、すぐに会議が開かれることとなった。




成実は白い髭を指で撫でながら、宗高に向かって言った。


「宗高殿、我の目から見ても、荒浜の賑わいは尋常ではない。

海と川を行き交う船の音が、昔とはまるで違う。

よい風が吹いておる。」


宗高が頭を下げる。


「成実殿のご協力があってこそ。

ですが……今の港では船が三隻並ぶのが精一杯。

大型船が続けて来れば荷が溢れ、海へ落ちるのも時間の問題です。」


成実は笑みを浮かべた。


「だからこそ港を広げるのだ。荒浜は、奥州南部の喉元よ。

ここを押さえれば、伊達の商いは揺るぎなくなる。」


福地右近が木簡を広げ、港図を示す。


「こちらが新たな波除け、そして荷置き場。

蔵を五棟追加し、船大工の作業場も設けます。

海路の中心となるには、修繕所が必要不可欠です。」


成実は図をしばらく眺め、


「よし、わしは漁師衆と海運の力を持つ者たちを動かそう。

この港は、亘理と村田と白石の宝となる。」


宗高は深く頷いた。


「……必ずや、未来の伊達をつくる港にいたします。」




港の拡張が本格的に始まると、白石からも協力の声が届いた。

片倉重長の使者が村田に訪れ、宗高へ文を差し出す。


「宗高殿。

白石和紙と職人の品が江戸で評判と聞き及んだ。

ならば白石も、この流れに乗らねばならぬ。

村田・亘理と共に、商いの道を太く繋ぎたい。」


文を読んだ宗高は、結姫の顔を思い出しながら微笑む。


「白石の技があれば、商いはさらに強くなる。

仙台の父上もきっと喜ばれるだろう。」




村田城に、三つの家の代表が集まった。


・村田:福地右近

・白石:片倉家の商務役・佐々木甚兵衛

・亘理:成実の腹心・浜田清十郎


宗高も席につき、静かに口を開いた。


「伊達領南部の商いを一つに束ね、

江戸へ、そして遠く蝦夷や上方へ品を運ぶ組織を作りたい。

名は——伊達南部商会『蔵王会』とする。」


甚兵衛が唸る。


「良き名でございますな。

蔵王は南部の守り神。

その名を掲げれば、どの商人も信を置きましょう。」


浜田清十郎が続ける。


「魚と海産は亘理が出そう。

白石和紙と職人品は白石。

薬草、果実、加工品は村田。

互いに力を合わせれば……」


右近が言葉をつなぐ。


「奥州一となりましょう。」


成実が立ち上がり、杯を掲げた。


「では、ここに『蔵王会』の設立を宣言する。

奥州南部の力を、海へ、江戸へ、京へ。

蔵王の名のもとに、我らは商いの翼を広げよう!」





冬の始まり前に、拡張された港の第一期工事が完成した。


新たな波除け

広がった荷揚げ場

蔵五棟

船の修繕所

蔵王丸の専用泊地


漁師の子どもたちが走り回り、大工たちが梁を担いで歌いながら歩く。


宗高は港を見渡し、静かに呟いた。


「……これが、伊達領の未来を作る場所になる。」


結姫が隣に立ち、海風に髪を揺らした。


「ええ。

あなたがつくった道は、きっと江戸にも京にも届きます。

この港は、きっと……雪王丸にも誇れるものになりますね。」


宗高はその言葉に目を細め、海の向こうを見つめた。


大きな船が行き交い、荷が積まれ、商人たちの声が響く。

奥州南部の心臓が、荒浜で脈打ち始めていた。


下記よりブックマークを頂けますと今後の励みとなります。


是非ともよろしくお願いいたします。


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