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伊達政宗の七男に転生?!転移?!         ~伊達宗高伝~  作者: 榊原ヨッチロ
第一部 伊達政宗の七男宗高

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第三十六話 「江戸への大規模出荷」

――村田の“恵み”を乗せた船、海へ越えて江戸へ向かう――


 荒浜新港の朝は、潮の匂いと共に活気に満ちていた。

 波は穏やかで、春の陽光に照らされた海が白銀の鱗のように輝いている。


 港の岸壁には、巨大な船影――

 村田、亘理、仙台の技術を集結させた大型船 「蔵王丸」 の姿。


 その周りでは、黒前掛け組と蔵王七翼、港の港役人たちが慌ただしく動いていた。


「よし! “蔵王星霜” の樽、全部積み終わったぞ!」

 笹丸が大声で叫ぶ。


「“白権の雫” の荷札も確認しました!」

 油井五郎助が走り回りながら叫び返す。


「“結の紅” の数に間違い無いか、念入りに確認せよ」

 右近が冷静に指揮を執る。


 加工品――“蔵王甘露”、干し肉、味噌、薬湯の素。

 果実酒、薬草酒。


 村田が育てた名産が、次々と船に載せられるたび、

 港の者たちは誇らしげに胸を張った。


 宗高が港に姿を見せると、周囲がざわめいた。


「村田様だ!」


「おお、お殿様が見送りに……!」


 宗高は一歩、二歩と船に近づきながら、港を見渡した。

 ここはまだ発展途上だが、いずれは伊達領南部最大の港になる。

 そんな未来図が胸の内に鮮やかに広がっていた。


「右近、積み込みはどうだ」


「順調にございます。

 港役人より“監査も問題なし”との報告が入りました」


「ならば良し。――皆の働き、見事である!」


 宗高が声を張り上げると、

 荷役の者たちは一斉に頭を下げた。


「村田様のおかげで、村田の商いが海を走るんだ!」


「蔵王丸が江戸へ着けば、村田の名はますます広まります!」



◆蔵王丸 出航の時


 港の鐘が鳴り響く。


 ゴォォォォ――

 蔵王丸の帆が、潮風を受けて大きく膨らんだ。


「出航準備、整いました!!」

 船員が報告する。


「よし、錨を上げよ!」

 蔵王丸の頭が号令を放つ。


 ギギ……キィィン……

 錨が持ち上げられ、蔵王丸はゆっくりと海へ滑り出した。


「行ってまいります!!」

 船員たちが声を張り上げる。


 港に残る者たちも手を振り返した。


「蔵王丸、気をつけて戻ってこいよー!」


「村田の誇りだ!!!」


 宗高も蔵王丸を見つめ、静かに呟く。


「村田は……ここから変わる」


 右近が横に立ち、深く頷く。


「はい。

 陸路に続き、海路も――村田の物流が、伊達領を変えましょう」


「そうだ。村田を“奥州伊達の玄関口”として、

 東北の食と商いの中心にするのだ」



◆江戸へ続く潮路


 蔵王丸は沖へと出、

 青い海を切り裂いて南へ――江戸へ向かう。


 空は快晴。

 波は穏やかで、船が進むたびにきらめく水飛沫が上がる。


 甲板で船員が大きく伸びをした。


「江戸の連中、“蔵王甘露” を食ったら驚くだろうなあ!」


 他のも目を輝かせる。


「“結の紅” は特に評判になると思います!」


 皆が笑いながら言う。


「なんたって、宗高様と結姫様の“結びの酒”だからな!」


「お、おい! 勝手にそんな……!」


 顔を赤らめた船員を見て、甲板は笑い声に包まれた。



◆宗高の決意と未来図


 荒浜の港が遠ざかるのを見送りながら、宗高は静かに目を細めた。


(蔵王丸が江戸に入り、酒と加工品が受け入れられれば――

 村田は、ただの在郷の町ではなくなる。

 伊達領の商いを動かす、要の地となる)


(海路が確立すれば、物流は加速し、

 さらに村田は豊かになる……)


 宗高の胸には、村田の未来が鮮明に描かれていた。


 蔵王丸は、その未来を開く最初の鍵――。


 船は潮風を切り、ひたすら南へ。

 村田の恵みを載せた蔵王丸は、静かに、確実に江戸を目指すのだった。


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