侍女子未来の日本で迷子になる
推しとはなんだ? 未来の日本にタイムリープしたとき知り合った剣道女子に聞いた。推しと呼ばれる相手が気になるからだ。
そりゃあ気になる相手ともなるとなんでも知りたくなるさ。拙者は彼のことを思い続けて生きてきたのだから。彼には人生、いや、命を懸けても足りないぐらいの恩があり、彼のこととなると知らないといけない病気にかかったのだ。
それを言うと彼女は、その日から敵を見るような目で私を見るようになった。なぜゆえに?
彼は私がいた時代のあの人にそっくりなのだ。出会ったときと同じように助けられていつの日か師匠と呼ぶようになり、私のいた時代の彼は、弟子をとらない人であったが勝手に技を盗めばいいと側にいさせてくれた。
それでもたまに稽古をつけてもらったが。どうやら見てられなかったらしい。
とある日現代の推しの彼は、ポツリとこぼした言葉が胸を締め付けた。
『一人の気持ちは世界にとってどうでもよくて、自分の気持ちを何も考えてくれずに一方的な気持ちを叩きつけてくる。だったらてめえが同じ立場ならどう言葉にするんだ、答えてみろよ? 答えられない時点でそれが正解だよ? 苦しいんだよ。それがてめえの気持ちでもあり今の俺の気持ちだ。勝手に発言できるのはてめえが俺と同じ状況じゃなかっただけの話し。軽く人を判断するな、この外道が』




