第3話 友達と腐腐腐
朝になって、余裕をもって準備をして、俺は一人で学校に向かう。基本的に、俺とかざりは一緒に学校に向かうことは実は少なかったりする。何か、かざりは準備によく手間取ってる。それと同時に、俺の下着とか私物がいくつか無くなったりする。何でだろうか。
「おう!昇!!」
「あっ、仁か。うす。」
「元気か!!」
「いつも通りだよ。」
「…………小笹とは来てないのな。」
「まぁ、いつも朝はそうだぞ?基本的に俺が先に出てるし。ただ、最近さ俺の部屋から私物やら下着やらが無くなってるんだよなぁ。」
「………強く生きろな。昇。」
「ん?おう。」
何か、友人である鹿島仁からは、何故か同情の視線がやってきた。何でなのかね、俺には分からないや。そんなこんなで、高校へ二人で足を進めていく。
「腐腐腐ッ。」
後ろの怪しげな笑い声に関しては、気にしないでおこう。
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「……………。」
「ん?どうしたんだ、かざり。」
「何か、女の匂い。する。」
「はい?何言ってるんだ、急に。俺そんなに匂う?」
「匂う。女の………匂い。」
何か、かざりに疑われた。女の匂いがすると。ごめん、俺分からないんだけど。かざりさんは、随分と嗅覚がいいらしい。凄いねホント。(褒めてはいない。)
「何か、ごめんな。かざり。」
「ん。」
「ちょっ!?かざりさん!?」
謝った後、かざりは俺に抱き着いてきた。その後、頭をぐりぐり俺の胸元に擦りつける。
「何してんの!?」
「何って……まーきんぐ?」
「そうか、もう、好きにしちゃってくれ。」
「言われなくても。」
何か、かざりがものすっごく、男前に見えた。やってることは滅茶苦茶懐っこい犬みたいだけど。それと………なんか、視線をすっごく感じる。なんていえばいいんだろう。貞操の危機が訪れているというか、ストーキングされているというのか少しだけ、恐怖が背筋を凍らせた。
あっ、教室に入ってきた。
「ちょっと、かざりちゃん!!」
「……何。みやびちゃん。」
「どうして、私から楽しみを奪うのよっ!!」
何か、話が読めないんだけど。あっ、ちなみに今かざりに話しかけた少女は三宮みやび。家がだいぶ富豪だとか。一方で、大分ヤバい人と認識されている。
主に、恋愛というのだろうか、周辺を腐海に染め上げていて、女子たちからは”教祖”とあがめられている。
ちなみに、俺はこの中で何故か、神様扱いされている。あと、仁も。一方でかざりはかざりで神であったり、神敵だったりなんか、右往左往している。
「みやびちゃんは、ダメだなぁ。私の言うことが聞けない悪い子になっちゃったのかな?」
「っ!?かざりちゃん。」
「言ったよね。私が昇といるときは……………。」
何か。三宮さんの顔色がめっぽう悪くなっている気がするんだけど。あっ、何か涙流し始めた。つか、こんな近くにいるのに話が聞こえてないのは何でなんだ?(A.かざりが瞬時に耳栓を突っ込んだため。)
そうして、耳打ちが終わった後に三宮さんが流れるように土下座をして、逃げていった。
あっ、何か小さいけど声が聞こえる。それと。
「……なぁ、かざり。これどれだけ続くの?」
「頭を10分間撫でてくれるまで。」
「家じゃダメなのか?」
「ん、今。」
「はぁ。分かったよ。」
「さいこぅ~。」
かざりの頭を撫でた結果、猫のように溶けた。そうしてクラスメートは、舌を噛み切って、念仏を唱えて気絶していた。いや、俺はクラスメートのみんなが怖いよ。