第1話:何も知らない竜胆昇とほほ笑むだけのクラスメートと絶対何か知ってる隣の席の幼馴染
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先生が黒板に板書をする中、窓際を眺めながら俺、竜胆昇は、眠気と闘っていた。そんな時だ。
「………ねぇ。」
「ん?どったの?かざり急に。」
「………教科書、忘れた。」
「あのなぁ、授業から20分経って、それを言っちゃうか。」
隣の席の少女、で俺の幼馴染。小笹かざりは、教科書を忘れたことを俺に伝えてきて、机を合わせ始めた。
…………まぁ、授業中だから、話すことも特にないんだけどさ、授業が進行している中で、頬杖をつきながら、先生のつまらない話を聞いていると。
「…………描けた。」
「ん?描けた?っ!?おいおいおい、かざりさんや。何をしているんですかね!?」
「おいっ!竜胆!!次お前が読むところだぞっ!!」
「あっ、はい!!………」
尚、この後、めっちゃ先生に怒られた。(かざりは、見て見ぬふりをして、鼻で笑ってた、感情が表に出なさ過ぎて分からなかった。)ちなみに、クラスメートは何故か鼻を抑えていた。何かあったのかね?
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一方、クラスメートたちはどうなっていたか。授業後、昇が色々と先生にこってりと起こられていた後、教壇にかざりが立って、彼、彼女らに向けて、ピースサインと、感謝の言葉を述べた後に、血反吐を吐いて、めっちゃいい笑顔で眠っていた。
ちなみに、昇が帰ってきた後。
「あっ、帰って来た。おかえり。それと、お疲れ。」
「おう。………なぁ、かざり。」
「ん?どうしたの。」
「いや、クラスの全員どうしてこんなに満面の笑みであの世に行ったみたいな表情しながら眠ってるんだ?しかも、血だまりこんなに作って。」
「…………分からない。」
「そっか。なぁ、次の授業って移動教室だけど。」
「あっ。」
クラスメートの状態が余りにも芳しくなかったので、授業は自習になった。いや、融通利きすぎだろ。とか、昇は思ったとか何とか。
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授業も終わって、放課後になった。俺は、周辺に温かい視線を浴びながら、かざりと一緒に教室を出ていく。なんかその後に、すっごい、うめき声が教室内から聞こえたけど、無視だ無視。声と、明らかに机が倒れたような物音を無視して、俺はかざりと帰路に就く。
「ふふふっ。」
「………どうしたんだ?」
「なんでもない。ただ、思い出し笑い。」
「そうか。」
「ねぇ、昇。今日の夕飯は?」
「今日か、母さんも父さんもいないしな。出前でも取るか?」
「…………昇が作った、ご飯が食べたい。」
「分かったよ。じゃあ、ついでで悪いけど、買い物に行くか。」
「ん。」
俺と、かざりは進路を変えてスーパーに向かう。夕陽が落ち始めて夜が近づく中、2人の陰は、距離をさらに詰めてじゃれ合った。
のんびりやるぞ~