伯爵令嬢セーラの野望
貴族とは
大規模な世襲的領地を持ち、ソレを経済的基盤として、生活の為の労働から開放され、その卓越した軍事的役割りと、高貴な血統による排他的門閥形成を通し、国家の政治に大きな特権を持つ。
ノーブレス・オブリージュ
side セーラ
同じ歳の男の子は、【 カス 】だと、考える女の子セーラ。ナゼなら彼等は 幼稚で、 膂力もなく 直ぐに、 泣くからだ。
なら? 同じ歳の女の子は? 勿論、 男の子以下である。 ナゼなら、 只々邪魔くさいだけだから……。
帝都魔法大学院初等科入学時、主席は ハヤトという田舎者だった。 業腹であり、 信じれなかった。 伯爵令嬢であるセーラは、 帝都の 同級生の情報を把握していたハズなのに、 ハヤトの情報が 抜けていたのだ。 意味不である。
突然アラワレタ主席を奪った、 いけ好かない奴! ソレが ハヤトだ。
タダでさえイライラしていたのに、 ドロシー王女まで カランできたのには、 驚いた。 しかし…賢い(学年 次席)セーラは、 ドロシー王女は、 普通科の一年生だと 情報は持っていた。 邪魔くさいドロシー王女は、 追っ払えばいいのだ。 無能な王族など。
ならばセーラは、 セーラのド・ストライクな目標は、 【 年上のカッコいい 勇者様 】である。 帝都聖騎士訓練学校代表生徒 キャスパル様!! 同じ勇者のタマゴでも、 クラスメートのアーサーとは、 月とスッポンな 比べるのもおこがましい程に、 有名人なキャスパル様である。 セーラの野望は、 聖女の称号を得て キャスパル様と、 栄光の勇者パーティーを運営することなのだから。 実家の伯爵家も、 応援してくれている!
しかし、 華々しく主席スタートをするハズが、 次席スタートになってしまった。 ならば、 ハヤトを蹴落とし 主席に返り咲けばいいのだ! 負けるもんですか!!
入学して、 一週間が過ぎた。
「ハヤト! 飯食いに行こうぜ!! 今日から、給食だからなあ、 ふはははっ! 俺が食べつくしてみせるぜ!!」コタローは、食い気全開だ。
「そうだね、 学食楽しみだよ。 ボクは、 カツカレーのチーズハンバーグ載せを、 頼むよていなんだ。」ハヤトも、 ムダに意気込んでいる。 コレだから、 同級生は 幼稚に感じらのだ。 セーラは、 ため息しか出ない。
「ムダ口はいいから、 教科書とか 早く整理して、 サッサと学食に移動しましょ?」セーラは、 コタローとハヤトに 小言を言う。
「ハイハイわかったよ。」
「ゴメン、直ぐ片すよ。」
「勇者は、とっくに準備できてるぞ!」
「???返事が、一人多いけど? アーサー? あなたも、 私達と一緒に ご飯食べるつもり?」セーラは、 アーサーに冷徹なのだ。
「おいおい、 友達だろ? 勿論 一緒に食べるよ。」勇者のタマゴは、 心臓も強い。
「まあ、友達は 多い方がいいのなあ? ハヤトもいいだろ? 俺は、 アーサーも仲間でいいぜ!」コタローは、 マイペースである。
「ボクも、 仲間に入れてて嬉しいよ! 一緒に カレー食べよう?」ハヤトは、 カレーで頭いっぱいのようだ。(本当に首席なのかしら?)
「仕方ないわね、一緒に行きましょう。 ハヤト君? でも、 セーラは カツカレーは食べないわよ? パスタにするからね?」全く、 首席のハヤトを 観察し、 敵を知る必要から 常に一緒にいるつもりだけれど、 やっぱり業腹だわ!
セーラは、 ついイライラしてしまうのだ。
同級生の勇者のタマゴ アーサーは、 脳筋なクセに 魔法を学ぶつもりらしい。 大体 勇者目指すなら、 武闘系の学校ダロー?と セーラは考えるのだが、 まぁ 他人だし関係ないし、 ほっとくケド 仲間入りしてくるなんて…。 ため息しか出ない…。
「さあ、 学食についたわ! 窓辺の席に 飲み物を置いて場所取りするのよ? いい? 先に場所取りよ?」何気に、世話をやくセーラ。
「うっせーな、 セーラ! わかってら。」一番わかってなさそうなコタロー、 セーラのあとをいそいそついて行く。
「コッチに ハンカチを置いてあるよ?」執事イリアに、特等席を 場所取りさせていたハヤトが、 セーラ達を導く。
「あら、本当にいい感じね? 窓側で 角で、 落ち着いて 食べられそう!」セーラも気にいって幸いだ。 このテーブルは、 今日から 初等科卒業まで、 セーラ達専用となるのだけど まだ、 誰も無意識だった。
「じゃあ、それぞれトレイに 食べ物確保してきて? 速やかにね?」リーダーは、 セーラだ。
セーラは、カルボナーラとサラダセット。
ハヤトは、カツカレーのチーズハンバーグのせ。
コタローは、特盛唐揚げ定食。
アーサーは、生姜焼きとステーキの欲張り定食。
「「「「 いただきます! 」」」」
何気に仲良しな、四人。 ワイワイと 美味しそうな食事風景は、 実際は 学食内で、 羨望の眼差しを受けている。
辺境伯の孫で首席のハヤト(眉目秀麗)
伯爵令嬢で次席のセーラ(眉目秀麗)
勇者のタマゴ アーサー(金髪碧眼眉目秀麗)
平民でにくめないコタロー(一応眉目秀麗)
上級生も、 この美しくかわいい新入生グループを 生暖かく、 見守っている。
「さっそく本題に入るわよ? 何故か、 学期中盤に、 魔法大会が開催されるのよね? 私達は 新入生だけど、 絶対出場して 実力を発揮しないとね? チームは四人 このままでいい?」セーラ的には、 まぁまぁかな?と考えられる。
「いいよ?」
「何だそれ?」
「望むところだ!」それぞれの返事は個性。
「放課後、 魔法訓練場13に 集合して、 マズは 得意魔法を見せ合いっこしましょ?」
「Ok!」
「???お…おぅ!」
「了解!」やっぱり、返事ははバラバラ(笑)
「コタローくんは、 後でおしおき! 担任の説明をちゃんと聞いてなかったわね? 魔法大会のパンフレットを、 次の小休憩で 熟読してよ? 熟読よ? いいわね?」セーラさん、 背中に 何か怖いモノ背負ってますよ?
ノーブレスオブリージュ
財力 権力 社会的地位の保持には、責任が伴う。
貴族でなくても、 弱肉強食の 魔法と魔物が存在する世界を生き抜くには、 力は必要だし 自分自身や大切なモノを護には、 他人の悪意を跳ね除ける実力を見せつけ 抑止する必要もある。 例え新入生でも ナメられたら負け組なのだ。 正々堂々 自分の立場を確立していかねばならない。 セーラは、 魔法大会で 聖女デビューを するつもりだ。
side アーサー勇者のタマゴ
……キタ キタ! キタァーっ!!
ついに、 俺の勇者デビューだ! ふふふっ!
勇者パーティーとしては、 マズマズの人材揃いだよな? 放課後が楽しみだぜ。 セーラは、聖女狙いダロー? ハヤトは、 魔法剣士。 コタローは、 斥候だろうな? 完璧じゃね?!
アーサーは、 生まれつき勇者のタマゴの称号を持っていた。 しがない騎士爵家の 希望の星として スクスク育ったアーサーだ。 やる気は ハンパないのだ。
side コタロー
大商会家の三男坊、 普通にお子様脳のコタローには、 ハヤト(王子で転生者チート野郎)や、 聖女狙いのセーラ、 勇者のタマゴという、 普通ではない お子様達の考えるコトなど、 全く 想像もつかない。 しかし、 コタローには、 本人も全く気が付いてない ものゴッツいスキル持ちなのだ。
コタローは、 ナミハズレた チームメイトに、 ガンガン引き摺られながらも チャンと、 ついて行ける やっぱり、 普通ではない能力を、 発現していく宝石の原石くんなのだ。
但し、 現時点では、 道ばたの石ころみたく 何の取り柄もなさげな、 食欲だけの お子様にしかみえないのであった……ガンバ!!!
読んでくださりありがとうございます。
いいね!をお願いしますm(_ _)m