神託 No.1
金のタマゴ
神託 サブリミナルインバクト
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双子惑星碧いサファイア 最大の大陸にて、最大の帝国 皇帝は、未明に 女神ヘラより神託をくだされた。
【 皇帝よ…ブルームーンの10月31日に誕生する王子は 成人まで、森の別邸にて 静かに育てよ…よいか 妾はヘラ… … …】
ハッキリくっきり 神託がくだった。皇帝は 神託に従い、第11王子ハヤトを 森の別邸にて養育する。神の子と考えて…。
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帝都魔法大学院初等科通学2日目 朝一、ドロシー王女の先制攻撃をかわし、疲れたハヤトは昼前に 大ピンチに遭遇中。 暖かい春の陽射し…南向きの校庭側一番後ろの席…。退屈な歴史の授業…。ポカポカ平和なヒトトキに ソレは突然出現した。校庭の真ん中に古竜エンシェントドラゴンが転移してきたのだ。
ビリビリビリビリっ!!! 古竜の覇気に殆どの人族が 気を失う。
〈 小さきもの…ワレの元へ!〉 うん、知ってた。 古竜の前に突然転移させられたボクは、そう考えた。流れは、異世界転生のテンプレだよねー クスン、泣くもんか!
〈 小さきもの…突然じゃが、ワレを殺せ。時間がない! 邪眼(3つ目の瞳)を 刺せっ!〉
「イヤだよ! エクストラハイヒール!」ボクは、スピカも使用し 最大級の魔法を放つ。古竜全体が、レインボーに煌めく!
〈 ありがとう 小さきものよ。しかしながら 無駄じゃよ、ワレは 老衰なのじゃ。 新しい生命を誕生させるタメに お主に頼む! ワレを殺し ドラゴンスレイヤーになり、 ワレの核から誕生するタマゴを育ててほしい! 新しく誕生するワレに 詳しく説明は受けよ。 お主の光剣で ワレを一太刀で殺しくれ!〉古竜は、必死で願う。 ボクは、観念して アイテムBOXから、光剣を出し 古竜の邪眼を、刺突する。 全く 抵抗ない…と、考えた刹那 キラキラと古竜は輝きながら 透きとおっていった。 美しい輝きの中から、ボク目がけ 金色のタマゴが、ふよふよ寄ってくる。 出来れば避けたいけど、 育成イベント発生したよね…仕方ないから、金のタマゴを やさしくキャッチした。
まだ 皆、絶賛気絶中だよね? ボクは サッと、教室の自席に転移して 正々堂々と、居眠りした。 しあわせー…、タブン…
ザワザワ…ザワザワ…
「皆さん! 気がつきましたか? 突然、大学院全体の人族全員が 1時間程、気を失う事件が発生しました! 体調が悪い人は、先生に申し出てください!」歴史の先生は、クラス全員の無事を確認すると 緊急職員会議に出る為、教室から出て行った。
「腹減ったなぁ…。」コタローは、腹ペコ魔人になりそうだ。
「危機感ゼロですね!コタローくん。」セーラさんは、コタローにも 冷徹だね、ふふふっ。
「何 ニヤニヤしてるんだ?」金髪碧眼 優等生キャラな、右斜め前の 勇者のタマゴ、アーサーくんが キッとボクを睨む。昨日の 自己紹介で、自分に 勇者のタマゴの称号があると宣った、アーサーくんは 何故かその場で、ボクに ライバル宣言もしたんだ。何て迷惑な奴!! ココもスル~だよ。
「「「 アーサーくぅん! マモッテぇー! 怖いのぉー!」」」クラスの女子何名かに 囲まれたアーサーくんは、 教壇近くに拉致された。 実際 助かった! 女子達ナイス!
「アーサーのヤツ! モテモテじゃん、 羨ましくなんかないけどっ!」コタローよ…、 クヤシサダダ漏れの表情で言っても 説得かナシだよ。
ソンナこんなの、数分で 戻ったのは、担任の先生で 説明的には、 事件は原因不明で 解決しておらず一応、本日は 下校することになった。
「給食は、来週からかあー トホホっ! 家まで 腹ペコで辿りつけないよー!」ゴソゴソと 弁当を出すコタロー!! コタローは、デッカいおにぎりを出すと パクつき出す。 給食が始まる前の数日は、弁当持参と 教室での飲食が昨日許可されていた。
「コタローくん、ボクは 帰るよ。また明日ね。さよならー。」セーラさんや クラスの皆に挨拶して、執事イリアと一緒に 自宅に転移した。
ボクは、おやつを食べながら 今日、学校であった事件を執事イリアと 料理長スコットに説明する。 頭の上に浮かぶ 金のタマゴと、 ソノ上に浮かぶ スカーレットスピカ。
「生クリームが、右頬についてますよ。」執事イリアは チラッと、金のタマゴを観察したあと 何故か、 フッと笑った!
「おいおい! イリアって、笑うのな?! 初めて見たぞ!!」スコットは、驚愕している。 ソコですか? 普通 驚くのは、 ソコじゃないよね? ボクは、 ???マークも 盛大に頭上に飾る。
「王子! 私も スコットも、 普通にドラゴンスレイヤーですし、 エンシェントドラゴン等、 国境の 山脈地帯にも生息しており、 珍しくはありませんよ。」冷静な執事イリア!!
「本当なの? 二人共、 ドラゴンスレイヤーなのっ!!」ちっとも、普通じゃないよね? ドラゴンスレイヤーなんか、 英雄譚や 勇者伝説の存在じゃないの?! 普通なのっ?!
「誤嚥しますよ? ロールケーキ! 炭酸水おかわりしますか? 王子の執事兼護衛ですからね? ドラゴンスレイヤーなぞ、普通の実力です。」執事イリアは、冷静だ。
「普通ではなきがなぁー、 オレは、 ドラゴン肉確保に 何回か死にかけたぞおー! ガハハっ!」スコットさんや あなたも大概ですから…。
「しかし、 ドラゴンのタマゴですか…。 育成中なら、 ドラゴンキラーの魔剣の出番は なさそうですねぇ…」執事イリアの呟きに、 金のタマゴは 身震いして、 頭上から ボクの胸ポケットの中へ、 避難?してきたよ(笑)
「イリアはよぉ、 鬼のドラゴンキラー様だからなぁ! 古竜何体やったんだ?」スコットの言いように 絶賛ガクブル中の金のタマゴ!
「昔話ですね、 もう すっかり忘れました。 王子は、 歯みがきしたら お昼寝、 午後は 剣術の訓練をしましょう。 よろしいですね?」ウチの二人にとって、 学校の大事件も 些事だったようだ。 そうなかなぁ? 大事件だった気がするケド? 疲れたボクは、 即お昼寝突入…。
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帝都魔法大学院初等科の職員室では、 午後の授業を自習に変更し、 会議の真っ最中なのだが、 何故か 全く 全員意識消失の原因が不明なのだ。
「一応 皇帝には、 報告しますが お蔵入りになるじゃろうのぅ! と、 いつことで ことさら騒がないように! よろしいか?!」学院長は、 落ちつき払って ぴしゃりと、命令した。
此処数日、 惑星サファイアの各地で 神託等の サブリミナルインパクトが発生している。それは、 運命という刻の揺らぎ…
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「光剣が 進化しましたね?」執事イリアの洞察力流石だね。 ボクの光剣は、 生まれ付きのスキル アイテムBOXに入っていたんだ。 光剣は、 ボクの成長に合わせて、成長していたけど、 進化したのは 初めてだよ。
「強くなってる。 攻撃力と防御力、 ボクへの回復力もね‥、 アクアマリンブルーから 蒼の光剣になってるし、 銘がついてる。 【 サファイア仮 】」…マジかぁ…、 普通の光剣でいいのに、 この星と同じ銘なんて…。 まぁ、 【 聖剣 エクスカリパー 】とか、 黄金に輝く ド派手な剣より、 ずうっとありがたいケド、 強い剣の方がありがたいケド……ソレにしても銘に仮? 意味不だよ? ココもスル~だよね…知ってる…。
「サファイア仮デスか? マダ進化しそうで、 楽しみデスネ!」イリアさんや 言葉変ですよ?
ボクとイリアは、 2時間みっちり 剣術の訓練をした。
「王子は、 魔法剣士目標なので 剣術の訓練は、 初等科で終了予定ですからね? 夏休みには、 魔境ダンジョンに、 レベル上げに行きますよ? 無意識に、 クリティカルヒット剣スジになるまで 型も、 確立しましょう。」鬼軍曹イリア 厳しい!!!
「ふいーっ…お風呂最高!」訓練後の汗は、 お風呂で流す。 大きな湯船に ぷかぷか浮かぶボクと 金タマゴ・・・。
「キミ タマゴだよね? 大丈夫なの?」ぷかぷか気持ちよさげなので、 多分大丈夫! うん、 気にしたら負けだ!
ボクは、 5歳の誕生日に 夢の中で、 前世の記憶を思い出した。 全部ではないケド…、 思い出したんだ。
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