1.2
翌日のお昼休み。
五人揃ってご飯を食べていたとき。
「そういや、最近風祭、忙しそうだね?」
かえでが話題を切り出すのは珍しい、と思った。
吊り目できつそうな印象だけれど、面倒見がいいのは周知の事実になっている。
かざとは、あおいのことだ。
風祭葵。その名字をとってそう呼ぶらしい。
「そうかな? いつもこれくらいじゃない?」
あおいは目をぱちくりさせながら(かわいい)
首を傾げた(かわいい)
あおいの温和な雰囲気は、この生々しい現実世界のなかにも救いの地を生み出してくれる。
あおいが救世の天使だと言われたなら、きっとわたしは信じてしまう。
「何か手伝えることとかあったらいつでも協力するからね。
それにさ、風祭はみんなの癒しなんだから。
いつも救われてるぶん救いたいし」
「そうそう!」
わたしたち三人も首肯する。
そうだそうだー! と声援が足りないとばかりに
脳内わたしの群れが大合唱しているのは、見て見ぬふりをした。
ドン引きされちゃいそうだし……。
「そうかなぁ……? でも、ありがとね。
じゃあさ、ちょっと手伝ってほしいことがあるの」
◇登場人物
夏松ゆず:わたしの友達。笑顔がかわいい。
さくら:わたし
かえで:わたしの友達。きつめに見えて実は優しい。
りん :わたしの友達。
風祭あおい:わたしの友達。救世の天使。