表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/14

2.1 夏の桜の木の下で

土曜日、9時40分。

わたしは終点で降りて、改札のところでゆずを待っていた。

ちょっと早かったかな?

待ちきれなかった気持ちが出ちゃってる。


普段は好きなだけ寝ているけど、今日はちゃんと早起きして念入りに準備したしね。

結局どこへ行くかはほとんど決まってない。

でもね、どこへ行ったってきっと楽しいんだ。

だから今日は今日を全力で楽しむことだけ考える。


少しして、ゆずが早歩きでやってきた。


「ごめん、待った……?」

「全然だしそんな急がなくていいのに」


まだ集合時刻にもなっていないのに。

ゆずのそういうところが、好き。


「待たせるのもよくないじゃん?」

「いーのいーの、友達なんだから気を遣わないのっ」


「どこ行こっか」

「そうだなぁ、食べ歩きとかしたいな!」


「ゆず、無限に食べちゃうもんね」

「私はカービィかなにか!?」


わたしたちはくだらないことを言い合いながら歩き始める。

しばらくして。


「ね、ね、クレープがあるよ!」

「食べよー!」


わたしはバナナクレープ。

ゆずは、パフェみたいな盛り盛りのクレープを買って。


しあわせそうにクレープをかじるゆずは。

ゆずを眺めるわたしを見ると、ふふっと微笑んで、


「はい、あーん」


わたしの目の前にクレープを差し出す。

な、なんか、恋人みたいだな!?


別に友達同士でもするようなことなのに。

なぜだかわたしは、そう感じてしまったのだ。

意識すると、途端にそわそわしてしまう。


クレープは美味しかったけれど、それだけでもなくて。

ゆずに食べさせてもらったそれは、しあわせの味が足されていたような気がした。


◇登場人物

春原さくら:わたし。凪高校一年生。

夏松ゆず :わたしの友達。実は完璧超人。

秋瀬かえで:わたしの友達。きつめに見えるが根は優しい。

冬村りん :わたしの友達。体力はないが天性の運動神経。

風祭あおい:わたしの友達。救世の天使。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ