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第1話 ようこそ異世界へ

 今回の任務は、確かに危険な内容だと聞いていた。

 しかし、異世界に飛ばされるリスクまでは考えていなかった。


 任務終わりには、行きつけのバーで飲み明かす予定だった。

 明日はキャサリンとのデートも待っている。

 非合法の特殊部隊である俺だが、それくらいの休日は約束されていた。


 ガスマスクとボディーアーマーに身を包んで銃をぶっ放し、貰った金で様々な快楽を買う。

 その繰り返しで満足していた。

 ところが、平凡な日常はあっけなく崩れ去ったわけだ。


 犯罪の巣と呼ばれる違法増築の大型アパートに突入した時、嫌な予感はしていた。

 長年の勘というやつである。


 決定的な異変が起きたのは、俺達の部隊が三階に侵入したタイミングだった。

 怒り狂ったギャングどもと銃撃戦を繰り広げる最中、大家族の冷蔵庫でも倒れそうなほどの強烈な縦揺れが起きたのだ。


 互いに攻撃を止めた俺達は、思わず顔を見合わせた。

 すぐにギャングの一人が外を見て叫び出した。

 ヤクでも切れて幻覚を見ているのだろうと思いきや、そうではなかった。


 窓の外を見ると、草原が広がっていた。

 少し昔のパソコンのデスクトップ画面みたいに綺麗な草原である。


 それはありえない光景だった。

 ここは紫煙と排気ガスと違法薬物の臭いに満ちた小汚い街中のはずなのだ。

 断じて草原が見えるはずがない。


 この瞬間、俺は何かとんでもないことが起きたのだと悟った。

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