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異世界と金剛(アダマンタイト)の鉄仮面  作者: ユキモン
第一章 ロゼ王国脱出編
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第7話 図書館と情報収集

 図書館を探し始めて約1時間。俺達は問題なく図書館へ辿り着いた。


「ここか……」

「ここもおっきいね」

「ロゼ王国の都市部みたいなものだからだろうな」

「どんな本を探すの?」

「ロゼ王国とガルラ帝国、ダリル王国に関する本だ」

「ん、了解」


 身元がバレたらこの街で調べ物をすることが出来なくなるのは目に見えているため、幻影(イリュージョン)で顔を変えて図書館に入る。


「おぉ〜……」

「こんな沢山の本を見るのは初めてか?」

「うん、初めて」

「そうか……ここには1、2週間ぐらい通うから、見たい本があれば遠慮なく見てきてもいいぞ。調べ物は俺がやっておくから」

「いいの?」

「あぁ、いいぞ」

「ありがとうユキ」


 一言礼を言った後、シエスは奥へと進んで行った。

 そして俺は、国の歴史や地理関係の本が置いてある場所へ移動し、片っ端から手に取り読み始めた。






 それから、ちょくちょく休憩を挟みながら約6時間程本を読み漁った。

読み漁ってる途中でシエスが戻ってきたため、シエスにも手伝ってもらったが、欲しい情報はあまり手に入らなかったな。だが、調べ始めたばかりから問題は無い。


「ユキ、今日はこの後どうするの?」

「どこか人気の無い場所で休むつもりだが、何か食いたい物とかあるか?」

「ユキの料理があるからいい」

「なら、ここから出て休む場所を探すぞ」

「おー」



「おや、もうお帰りになられるので?」


 俺とシエスが図書館から出ようとしたところで司書らしき老人に突然話しかけられた。無視するのもいいが、これから1、2週間は通うから下手に問題を起こすのはやめておいた方がいいか…


「あぁ、今日のノルマは大体終わったからな」

「今日のということは、また明日もここにいらっしゃるのですかな?」

「もちろんだ。用が無いなら行かせてもらってもいいか?今晩から休む宿を探さないといけないのでな」

「ほほう、宿をお探しで…であれば、館内にある仮眠室を使ってくださいな」

「仮眠室だと?」

「はい。私達職員がここで寝泊まり出来るようにと作った部屋なのですが、一つ余っておりまして…良かったら使ってはどうかと」


 ここでリスクを冒すのは得策では無いと思うが、より早く情報収集をしないといけないしな…

 万が一、仮眠室が危険だと判断した時は速攻でこの街を出てダリル王国へと向かおう。


「なら、有り難く使わせてもらおう」

「では、仮眠室へ案内しますので付いてきてください」


 5分程、老人の後を付いて行くと、ベッドとテーブルが1つずつ、椅子が2つあり、人が1人出入りできそうな程の大きさの窓がある簡素な部屋に着いた。因みに部屋は2階にある。


「こちらが仮眠室でございます。では、ゆっくりとお寛ぎください」


 そう言うと、老人は俺達の前から立ち去って行った。さて、早速調べるか…


「シエス、この部屋を熱源感知と魔力感知、両方での索敵で何か変な物が無いか調べてくれ」

「分かった」


 シエスは目を閉じ、感知に集中し始めること約2、3分。


「ユキ、特に何もないみたい」

「そうか……後は、俺が危険な物がないか部屋中を探すからシエスは休んでいてくれ。シエス、探知ご苦労様だ」

「えへへ…」




 そして、テーブルと椅子、ベッドに細工がされていないか、天井や床下に空間があるか、ベッドの下に何か無いか等、10分程かけて探し回ったが特に怪しい物や危険な物は無かった。


「ユキ、何かあった?」

「いや、何もなかった。今日は飯を食って、そのまま休むとするか。シエス疲れただろ?」

「うん、疲れた……」

「そんじゃ、異空間収納(ボックス)から箸と小皿出してくれ」

「分かった」


 シエスが箸と小皿を出している間に、俺も異空間収納(ボックス)を唱え予め作って保存しておいた料理を取り出して、テーブルに置いていく。


「今日はオーク肉のスープとドライフルーツだ。ただ、これから暫くの間、大体こんな料理ばっかりになると思うが、我慢してくれよシエス」

「ユキの料理はなんでも美味しいから大丈夫」

「そうか……そう言ってもらえると助かる」




 飯を食べ終えた後は窓から外に出て食器を水球(ウォーターボール)で洗ったり、明日の大まかな予定をシエスと話し合ったりして過ごした。


「そろそろ寝るか?」

「一応見張りしとく?」

「そうだな。この部屋に俺達が入ってから一度も近づいてくる気配が無いが、念の為に見張りをしておこう。最初は俺がやるからシエスはベッドで休んどけ」

「分かった。でも、見張りをやるならわたしの隣でやってほしい。万が一の時、直ぐ一緒に行動できるよね?」

「たしかにその方が良いな。んじゃ、明日は朝から調査を始めるからさっさと寝ろシエス」

「ん、おやすみ」


 シエスが横でスヤスヤと寝始めたため、より一層警戒を強める。


 そう考えながら周りの音や、シエスから教わった魔力探知等で見張りを続けた。


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