9話 仙人空間
~仙人空間~
レンガ
「ここはどこだ?
ここが仙人の世界か」
仙人がそこには存在する
そこは秩序を持たない
しかし覚悟力を持った人間だけが住んでいる
ジェイル
「ラスタちゃ~ん!」
ラスタへと抱き着こうとする男
そこに肘攻撃するラスタ
ジェイル
「ひどいよひどいよ」
ラスタ
「黙れ
それよりも、死者属性との決着はついたのか?
ジェイルが言ってた通りなら既に終わったものだろうが…」
ジェイル
「それがねラスタちゃん
あいつらは死んでいったよ」
ラスタ
「あれだけの数をか?
あれだけの仙人がいたのにか」
ジェイル
「そうだよ
死者属性は死者化していく
だから誰もが感染していくんだ
仙人として存在している人間もほら」
そこには監獄がある
監獄に人間がいる
そして監獄を壊そうと殴りつけている光景が続く
レンガ
「死者ってもっと呻き声上げながら遅い奴じゃねえのかよ
こんなにもアグレッシブなのかよ」
ラスタ
「死者についてはな…それは屍だ
屍なら同じようになっているが
こいつらは死者属性だ
死者属性が精霊属性より強いのには
相応にスピードが備わっているからだ
そして何よりも団結力が強いのだ」
そして監獄が壊される
ジェイル
「あんだけ監獄を強化したのにまたか」
レンガ
「またって…それならもういっそのこと殺してしまえよ
いくら仙人という仲間であっても
もう変えられないのだろう?」
ジェイルはレンガの肩に触れる
ジェイル
「そうだよ
一生変わらないさ…
こんな風にな…」
ジェイルは肌から何かを弾き出すように獣化していく
ラスタ
「ジェイル…お前も死者化していたのか…
先ほど肘攻撃をした際に、私の脳裏に何かを弾く音がした
免疫抗体力を持っていない仙人は死者化する
しかもそれは触れた瞬間にだ」
レンガ
「そりゃ強くて当然だな
当たっただけで終わりなのかよ…!」
レンガはジェイルに向かって波動力攻撃
ジェイルは攻撃によって死者仙人の群れへとバックしていく
ジェイルの受けたダメージは回復していく
レンガ
「細胞も回復…
こいつらが悪識機械生命体と同化したらと思うと…気が参るな」
ラスタ
「では諦めるか?
そんな訳は無いよな」
レンガ
「あたりめぇだろ?
諦める訳はねぇさ
蝉リスの時も…!ラゼスシティの時も…!
その真実を見ればな…!」
ジェイルはレンガへと肩に触れていたというのに死者化をしない
レンガが笑う光景をジェイルは驚愕する
ジェイル
「こいつ…!
ラスタと同じ力を持っているのか?」
ジェイルの驚愕も笑いに変わる
それはレンガが身体を沸騰するかのように肌が爛れてきているからだ
ジェイル
「はは…!レンガ見ろ!
お前の肌は死者化しているぞ…!
こんな風になっていくんだぞお前は…!」
笑いながらジェイルは死者化していった仙人達を見せつける
仙人達は自分の皮膚を内側から破かせる
その皮膚は灰色で気味が悪いものだった
ジェイル
「気味が悪いだろう?
だがな、これが新しい時代の幕開けだ
時代は誰かが作るものじゃない 自分が作るものだ
そしてそれは個ではなく集団なのだよ
つまり死者属性こそがその時代を作る役割になれるという奴だ…!」
レンガは皮膚を爛れさせる
止める事が出来ない
ラスタ
「レンガはこのままでは死者化してしまう
レンガ…それでも私はお前を信じていいのか?」
その疑問にレンガは迷わず答える
レンガ
「迷う訳ないだろ?そんなの今言った通りだ
当たり前に信じてくれ…!それが俺の共鳴力だ!」
レンガは共鳴力でラスタの意思を尊重して
死者化を免れた
ジェイル
「免疫抗体力を持っていないのに死者化を防いだのか?
そんな事は有り得ない…俺達がやってきた修行と成果は何のためにあったのだ?」
ラスタ
「ジェイル…確かに修行と成果は大切だ
だがな、
もっと大事なものは強大な意思という力なんだよ」
レンガもそれを肯定した
半分死者化している半死者属性のレンガは
その死者の力を自分へと受け継ぐ
レンガ
「引継力を持ってして
死者の力を引き出せてもらう…!
死者には死者の力で攻撃だ…!
こいつを受け取れ…!
死者爆裂!」
死者爆裂を繰り出して
死者仙人達は攻撃を受けて
そして皮膚がそのまま腐り落ちて骨だけとなって死んでいく
レンガ
「元々あいつら死んでた…
でも死者化という死ぬのもままならない苦痛の中生きていたんだ
ジェイル、お前もこいつで成仏させてやるよ」
ジェイルはそのまま逃亡する
ジェイル
「悪いが俺はそんな事で
人間様を止めた訳ではないわ!
人間として無属性の死者属性として、世界へ君臨するのだ
どんな事をしてでもな…!
ラスタちゃん
悪いが一抜けさせてもらう」
そう言って転送していった
レンガ
「転送しやがったな…
あれは何度でも使えるのか?」
ラスタ
「そうだな
転送ポータルで指定しているからな
だが、魔力のようなものを使うから
そんなに頻繁には使えんよ」