8話 悪識機械生命体
~ラスタ側~
仮想幻影
「レンガの方の子供は最後に反逆を選んだようだ
子供はもう消えてしまったよ
稼働エネルギー源とされていた子供が
秩序を守らなかった事で最後の、接続を切られた」
接続された情報の羅列こそが
この仮想幻影の正体
その接続を切られると同時に生身の肉体は滅びを迎える
そして仮想幻影はラスタへと手を差し出す
ラスタ
「お前も反逆を迎えるのか?」
仮想幻影
「いずれは手を繋げば分かる」
繋いだ瞬間に、
仮想幻影と共に情報の羅列から導き出された情報へと転送された
そこはラゼスシティの地下であった
ラスタ
「地下都市…?
人が住める土地になっているな」
ラスタは当たりを見渡す
そこは地下都市となっており、人の為に作られた都市だと感じる
しかしそこは静寂に染まっていた
そこにレンガがいた
レンガ
「ラスタもこちらに来ていたのか…
すると仮想幻影も…」
仮想幻影と一緒に3人で歩いていく
地下都市の見学
どこも都市と変わらない風景だ
地下である事以外は
そこには使われていた所もあるし使われていない所もある
レンガ
「ちょうど…なんだろ…
人が使っていた所で、何かに襲われたような光景だ…」
レンガは掲示板を思い出す
レンガ
「ちょうど1年前…何かが起こったのではないのか?」
仮想幻影
「浸食されたのが1年前…
都市をエネルギー源に切り替えてみたが、
人間のように細胞が存在しないから
根を張るように都市から吸い取っていたものの細胞は枯渇状態だった」
ラゼスシティは1年前から
既に人間の肉体を媒介にして全てのエネルギーを出し切っていた
だからこそ、細胞に成り得るエネルギーを再利用していた
地下都市にいないのは全ての人間が灰となった為だ
レンガ
「都市をエネルギー源?
…人間の細胞の残りを根を張る事で建物から摂取していたのか」
仮想幻影
「何分このエネルギー源は細胞によるものだからね
その細胞も分裂していくと足りなくなる
その補い分は空っぽだから」
しかしそこで疑問は残る
何故なら、人間の肉体が灰になったとしても
仮想幻影の存在がある人間はどこから情報を引っ張ってきているかだ
レンガ
「最後に聞く
お前らの肉体はどこにある?」
仮想幻影
「面白い事を聞く
いいよ 最後だから答えるよ
答えは砂海 あれが僕らの肉体」
既に死んでいた
死んでいたというより冬眠状態となる事で
死体状態でも稼働エネルギー源として利用されていた
仮想幻影
「機械生命体がもしもエネルギー源が他の技術であったのなら
僕達はきっとその秩序の都市で永遠彷徨っていただろう」
エネルギー源は人間の細胞から
細胞エネルギーを利用する為に、
ラゼスシティ周辺へと範囲を広げていたが
それは最後に叶う光景では無くなった
ラスタ
「仮想世界へと逃げるんだ!
今なら間に合うはずだ!
あの時の私のように…!」
叫んだのだが仮想幻影は笑って否を唱える
仮想幻影
「そういう仮想幻影も中にはいたよ
しかしセキュリティを張られていてね…
自ら破る事が出来る人間でないと通れないんだよ
それこそラスタやレンガに備わっている覚悟力を持った人間以外はね…」
覚悟力の無い仮想幻影は
このラゼスシティで駆逐していく
崩壊を迎え始める
ラスタは気が向かないが
レンガと一緒にラゼスシティの外へと出る
そして崩壊していった
ラスタ
「属性世界となった時に世界は変わっていった…
そして属性世界になった要因は災害だ」
災害はラゼスシティを巻き込んでいく
その竜巻と雷のコンボにレンガは疑問する
レンガ
「ラスタ…この要因は機械生命体なのか?
機械生命体はラゼスシティに何か恨みが…?」
ラスタ
「いや…機械生命体がもしもラゼスシティ外へ出ていたと仮定すればな…
その歴史通りの光景では無くなる
私がセキュリティを突破したように、
機械生命体もまた突破して外側の世界を知り
そうして機械生命体はバージョンアップを迎えて
この属性世界を作った…という事に成り得るだろう?
キメラがいる世界なんておかしいと感じた…
世界は機械生命体が良識機械生命体ではなく
悪識機械生命体のまま、外側の世界を知り尽くしたからこそ
この属性世界は誕生していったんだ」
機械生命体の群れがやがては
災害としてレンガたちを襲い尽くす
しかしそこにレンガの波動力で粉砕される
ラスタ
「レンガ…
お前はそれでも猛威を振るえるのか?」
レンガ
「そうだな
俺は何も分からねぇよ
でもよ、人間が終わったら…人間が終わるだけだ
それが良いとは…俺は思わないからな」
悪識機械生命体の災害がラゼスシティの瓦礫を利用して
瓦礫を飛ばしてくる
レンガは砂埃を蹴り上げて粉末で瓦礫に砂を巻き散らして分解する
そして小さくなった瓦礫を殴って粉砕する
レンガ
「機械生命体の群れは…
属性世界の上位的存在だ
だとしたら今日は逃げるだけか
何か良い逃げ柵はないのか?ラスタ」
ラスタ
「あるにはある
レンガ 私はお前に礼を言おう
仮想幻影の反逆は私達と共にある」
ラスタは仮想転送して
悪識機械生命体から逃げ去った
災害は、そのまま当たりの砂海も砂も全て巻き込んで
新しい生命体を生み出していた
「ここは…どこだ?
私は誰だ?
私はメフィスト
キメラの群れの集結した仮の姿
メフィスト・キメラこそが私の名前か」