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6話 仮想幻影

レンガ

「浸食されているな

酷い状態だ これでは人間が住める状態とは言えないな」



レンガがそう感じたのも無理はない

ラゼスシティは、高速道路から都市までビルまで家宅まで

全て植物精霊から根を張られては寂れた風景が続いていた


ラスタ

「もうここには何十年と人間は住んでいないのか?」



しかしそんな考えも異なる事が分かった

電光の掲示板だけは生きており、それを見ると日付が1年前だった


レンガ

「1年前に機械に浸食されたのか…」


ラスタ

「そうだの

機械生命体によって、このように人類の反映は

機械生命体が浸食していこうとしていた」



ラスタがそう言ってから建物を蹴り上げた

蹴り上げた建物は横へと潰れて落ちていった


レンガ

「もう少しで俺達が生き埋めだったんだな

脆くなった建物は地震でも起きればやばそうだ」


ラスタ

「いや、そうでは無い

少し誰かが動かした形跡があるようだ」



ラスタは何かの気配に対応して建物を投げつけた

生き残っていた子供だった


レンガ

「何故このような事を?

他に人間はいないのか?」


子供

「人間はいないよ

いるのは人の残骸だらけさ

だってこの都市は歪だから」


レンガ

「歪?

おい待て!」



レンガがそちらへ向かうのをラスタは止めるが

建物がそこを食い止めるように遮った


同志

「ラスタ殿

探しましたぞ」


ラスタ

「ん?お前は…幻影か

なるほどな」



ラスタはそこに昔無くしたであろう友人を見つけていた

そこにはラゼスシティでの昔の友人が映る


ラスタ

「私達がまだ世界で君臨していた時

いや、崩壊しかけていた時に

人間は運動を起こしていたな」



ラスタは昔を思い出していた

昔、ラスタは科学力へと反対運動を掲げていた


ラスタ

「科学力に反対していた訳ではない

私達は、機械仕掛けの都市の外部の光景を見渡して愕然としていたのだ

そこにあったのは、砂塵の大竜巻 世界は災害に塗れていた


そしてこの都市だけ生きていた

でもそれは昔の歴史データを見ると明らかだった

そんな状態は無かったのだ

だからこれが機械仕掛けの仕業と感じた


そこで反対運動によって

その裏側で機械生命体が稼働している事を知った」


同志

「そこからですね

ラスタ殿が仮想世界へと分子変換してから眠っていたのは…

でもあなたが生きて居られて良かったです」


ラスタ

「他の同志も死んだのか?」


同志

「そうですね

今はこの都市が生存し続ける限りは生き残れる仮想幻影ですが

それももうすぐ駆逐されそうですね…」



それはゼラスシティの崩壊を意味していた

長き日の経過によって、ラスタは地上へと戻り

長きの経過によって住民は死んでいった


同志

「あの後、ラスタ殿は仮想世界での転送で掻い潜られて

機械生命体のいない場所へと行き着いたととお見受けします」


ラスタ

「そうだな

その情報蓄積分の年数が経過して

私は今ここに仙女として存在している」



ラスタが仮想世界に渡ったのは自分の独断であった

機械生命体が存在している事によって

そして、世界が変わる状態を考えて


同志

「俺達はラゼスシティで機械生命体によって

管理されていきました


変わらない世界が続いたのですが

やがて属性世界の影響によって

このラゼスシティは崩壊していったのです」



人々は死ぬまでも死んでからも悩まなかった

そこには永遠の楽園があったから

しかし属性世界という新たな秩序によって

それは崩落した


同志

「仮想世界から他の世界へと転送する事は

このラゼスシティがシャットダウンされた状態では不可能

俺達はただの仮想幻影です


この都市との時間制限誓約付きの幻想人間なんです」



ラスタは考えたが

やはりレンガが気になった


ラスタ

「あの子供は…なんだ?

あれは仮想幻影なのか?

だとしたら、何を思ってレンガに?」



機械生命体は何かを利用していく

そしてその装置の思うがままに動く


レンガが危ない事を察知しても

仮想幻影に逆らわない方がいいだろう

ラスタはそう感じた

仮想幻影はこの都市の守り神なのだから



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