表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ、青い。  作者: 小鳥遊 雪都
6/8

紫月さんが死んだら・・・。

ポツリ・・・ポツリ・・・と、私は昨日の出来事をかなえに語った。

それは昨日の出来事のはずなのにもう2、3年も前のことのように感じられた。

しかし、それなのに伺った家の中に立ち込めた濃い線香の匂いと目を赤くしながら私たちを見つめ『来てくれてありがとう』と言い『頑張ってね』と優しく微笑み、言ってくれた同級生のご両親のひょうじょうは今もその場に居るかのように鮮明に覚えていて刻一刻とその生々しさを増していた。

まるで呪いかのように・・・。


「・・・紫月しづきさんは・・・死んだりしないでくださいね」


私の話が終わるとすぐにそう言ってきたかなえの声は明らかに震えていて涙声だった。

そんなかなえの声を聞いて私はヘラっと笑っていた。

それにかなえは怖い顔をしたけれど、私は無視をした。

かなえに突っ込んでいく勇気が今日はなかった・・・。


紫月しづきさん・・・危ないから」


かなえからポツリと発せられたその言葉も私は無視をした。

なのにかなえは話を続けた。


紫月しづきさんはちゃんとしているようでちゃんとしてなくて・・・強いようで凄く弱いところがあるから私・・・と、言うか陽輝はるきさんも言ってたんですけど・・・心配なんです。何かあったらすぐに・・・その・・・何も言わずに居なくなってしまいそうで・・・消えてしまいそうで・・・」


かなえの言葉に私は呆れていた。

自分の不甲斐なさに・・・だけれど・・・。

全てが図星だ。

全てがあっている。

だから言い返せない・・・。


紫月しづきさんが死んだら私・・・たぶん・・・生きていけない・・・。身体は生きていてもきっと・・・心が死んでしまうから・・・だからっ・・・」


かなえの言いたい言葉の全てを聞くのが怖かった。

だからかなえの口を私は私の口で塞いだ・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ