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ただ、青い。  作者: 小鳥遊 雪都
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砂浜へ。

髪を乱す潮風に私は目を細めながら砂浜へと伸びた階段を下りていた。

そんな私の少しあとをかなえが『きれ~』なんて言いながら付いてくる。

そんなかなえの反応を『若いな~』なんて思う私は実年齢よりも少し・・・ほんの少しだけ老けているのかも知れない。


紫月しづきさん! 綺麗ですね!」


そう言って私の横に来てはしゃぐかなえを私は素直に可愛いと想い、愛しいと想った。

その感情はただ小さい子供や親しい友人などに向けられるモノとは少し違う。

それはなんというか・・・もっと濃く、ねっとりとしている何かで何かを間違えると危ないことになってしまう何かだ・・・。


「そうだね。先・・・行っていいよ。タバコ吸いたいから」


私はそう言って階段の中途半端なところで立ち止まり、そのままそこに腰を下ろしてタバコの箱の中から一本、タバコを引き出し、引き出したそれを咥え、かなえの様子を窺った。

私を見つめるかなえの目は少し寂しそうだった。

それに気づきながら私は犬でも払うかのようにしっしっと手を振って咥えたタバコの先にライターで火を点けた。

そんな私に苦い笑みを投げ掛けるかなえは子供で大人だ。


「じゃあ・・・あとで! 先に行きますね!」


かなえは無理に明るくそう言うとまた無理にニコリと笑んで階段を駆け下りて砂浜へと行ってしまった。

私は離れて行くかなえの小さな背中をぼんやりと見つめていた。

不意に寂しいと言う感情が芽生えた。

それは昨日の夜にも感じた感情だった。

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