第32章 背信
「──ユユ……姉ちゃん……?」
透き通った目で、こちらを見つめる少女がいる。
その身体には無数の傷があるというのに、痛みなど全く感じていない様子で、今そこにいる自らの記憶の中に存在する“あの女性”と一致しているのか確かめたい、そんな様子であった。
対して、そう問われた方──私のそばでついさっきまで泣いていた、或いは怒っていた女性は、初めてクリスマスプレゼントを貰った子供のように、驚いて口を開けるしかなかった。
その女性の名は、金子 結由。
その名はまさしく、少女の問うた名前そのものだった。
「……宙音……!お前、どうして……!?」
結由の脳内は、クエスチョンマークに支配された。確証はないがその筈だ。
何故なら、私──愛翠 杏紅含め、その場に居合わせた人間全てが、その現象が疑問に思えてならなかったのだから。
つい先程、彼女はその身体を、この興土島の地下を通る地下電線に叩きつけられた。予期せぬ衝撃によって強固な外壁を破壊された電線は、そこに流れる高圧電流を、報復だと言わんばかりに、少女──角中 宙音の身に流し込んだのだ。
この島の電力エネルギーの大半を担う電線の電流を食らったのだ。たとえ“人造人間”とは言え、ひとたまりも無いはずだ。
なのに今、目の前に立つのはその少女。
皆が理解に苦しむのは至極当然の成り行きなのだ。
「何言ってるの、ユユ?確かに何だか身体中チクチクして痒いけど、何も大したことは無いよ?
どうしたの?そんな化け物でも見たような顔で」
その私たちを面白がるような顔で問い返す宙音。
「……おい。……角中 宙音」
しかしそれに返答したのは、別の女の声だった。
背後から聞こえた声に振り返った宙音の顔は、急激に青ざめた。
「……百華……さんっ…………!?」
「お前の記憶は削除されたはずだ、そう聞いている。
にも拘らず、何故お前はその者と対話している……?何故私の命令に背いて、その者と、親しく言葉を交わそうとしているのだ……!?」
言葉だけ切り取れば嫉妬心に苛まれる女のそれにも聞こえるが、実際はそれ以上の緊張感を齎している。
「そんなの私だって知らな……判らないですっ……!
そもそも、私が何故ここにいるのかも判っていないのです……!」
焦りつつ釈明を行う宙音のどこかを見て、ある人が、“何か”に気づいた。
「……やはり……そういう事か……!」
「……?何か解ったんですか?撫子さん」
私はその人──神多 撫子に尋ねた。
「あの娘の首元辺りを見てみな。……火傷みたいなのがあるだろ?」
言われて私は、宙音のその細い首を見た。
撫子の言う通り、その首の付け根に、何やら焼けたような傷跡がある。
「多分さっきの事故の傷だ。凄まじい高圧電流だったお陰で、却って痛みを感じてないんだろう。
それで、だ。“人造人間”の身体構造を考えた時、
あの辺に来るのは何だと思う?」
私が首を振って知らないという意思を示すと、撫子は返した。
「記憶を予備保存する“第二の脳”、電脊椎と電脳を繋ぐ伝路が存在する場所だ」
「電脊椎……!」
「これはあくまでアタシの推理だけど」
撫子は、敵への警戒を解かぬまま話を続けた。
「広楽島の連中は、宙音の記憶を消したんじゃなく、電脳、電脊椎との伝路を絶っただけなんだ。
“人造人間”の記憶は、その二つが繋がっている状態が成立して初めて正常に作動する。今みたいに伝路が絶たれるなんてことがあれば、さっきみたいに機械的なことしか出来なくなるんだ」
何とか私の思考は理解し話について行くが、限界は見えてきている。
「だがその断絶点に高圧電流が加わったことで、何らかの形でそれが無くなったんだ。
恐らくだが、どちらかに昔の記憶が残っていて、伝路が繋がったことによってその記憶が復活したんだろう……まあ推論だけど」
最後に保険の言葉を付け加えた撫子。
「……つまり、さっきの電流が、宙音ちゃんの身体を傷つけるどころか、
その記憶の復活を手助けしたってこと……?」
「そう。そして広楽島の連中の言ってたって言葉は嘘。
百華含め、同じ“人造人間”である『SHAT』隊員に、
『もし変なことをしたらお前たちもこうなるぞ』と脅迫して抑制する為の虚言だったんだろう」
撫子はそう言って、結由や宙音だけではなく、敵である獅牙 百華や豹堂 久吾までも哀れむような目になった。
「……話は聞かせてもらったぞ。撫子とやら」
その百華が言った。宙音ばかりに注意が行っていると思っていたが、やはりそこは一隊をまとめるだけあって、ただの素人ではないようだ。
「この女をこちらに引き戻すヒントを与えてくれるとは……感謝しよう。この女の首の付け根辺りを狙えば良いのだな……?」
そう言った途端、彼女の姿は消えた。
注意を怠った私は、『勇戦状態』を発動しているにも拘らず、その姿を見失った。
そして次に捉えたのは、
百華が、宙音の首を絞めているところだった。
「がはっ……!?」
「宙音っ!」
傍に居た結由が救助しようとしたが、疲労困憊だったその身体は、百華によって蹴り飛ばされた。
「……ダメっ……!」
と、私も後援に向かうが、
撫子が、何故かそれを引き止めた。
何で、と言おうとしたが、子どもを優しく叱る時の母親のような目をした彼女を見て、その言葉は喉元に留まった。
宙音は、自らの首を強く絞め続ける百華の腕を必死に引き剥がそうとするが、そうすればするほど、それを上回る力で百華が絞首する。
そうして首を絞め続け、彼女の失神を期待しているのだろう。と、私は踏んでいた。
だが、そんなことはするはずは無かった。この時の私は、『勇戦状態』で体力を激しく消耗し、正確な判断に至らなかったのだろう。
冷静に考えて、百華は現状数的不利に陥っている。仮に宙音を気絶──強制断絶させ、疲弊している結由を即座にノックアウトしても、まだ二人残っている。
宙音を復活させれば人数は対等だが、意識を失わせてからそんなことをしていては、私たちの追撃にあって終わりだ。
したがって、彼女が考えた最も効率的な方法は、あまりに残酷な方法だった。
宙音の意識が少し遠のいているのが傍目にも判った瞬間、百華は首を絞めていた腕を解いた。
そして、宙音が酸素を獲得し、意識を戻す前の僅か一瞬の間に今度は、女性にしてはやや大きめであるその手で、宙音の細い首を絞め始めた。
更に百華の攻撃は続く。
彼女は、その両手の爪を、
鋭く、まるで獣のそれのような爪を、
宙音の首に立てたのだ。
彼女がわざわざ、腕に比べて力の入れにくい両手に替えた理由である。
そして、もはや鋭利な刃物同然のそれは宙音の首の皮膚を貫き、やがて内部深くまでくい込んだそれは、
宙音の皮膚及び筋肉を引き裂く牙と化した。
首の付け根にある、何らかの形で縫合された断絶点を再び作り出す算段だろう。
ちょうど火傷を負っている部位の皮膚が抉れ、同じく焼け焦げたような状態の筋肉が露わになった時点で、私の脚を固定していたストッパーが外れ、その脚は一目散に宙音のもとに向かっていた。
だがここで私を止めたのは、またも撫子の声だった。
「ダメだ!アンタは向かっちゃならないっ!」
「どうして!?仲間があんなことをされているのに!」
私は宙音を指差して激しく訴える。
しかし何を言われようと意志は揺るがない、そう宣言するような表情をしていたので、あと1回きりだけ待つことにした。
「……ハハハ……残念だな。仲間は何故か、お前を助けてはくれんようだ……。
今、私は両手を用いているから、両手が塞がれてすぐに動けぬのに、その隙をついて来ないとは……臆病風にでも吹かれたのだろうなァ……!」
私たちの行動を嘲笑する言葉を、眼前で踠く宙音に投げかける百華。
「さあて、お前もそろそろ苦しくなってきたろう……だが安心しろ。今、お前の記憶をもう一度壊して、安全な“こちら側”に迎えてやるからな……!」
百華はそう言って、さらに爪を突き立てる。
その爪が、幾重にも重なる筋肉を掻き分け、
まるで太古の文明が遺した秘宝の様に、その首の中の奥深くにひっそりと隠されていた伝路に到達せんとした時、
不意に宙音が口を開いた。
「……違う……!……違います、百華……さん……!」
「ん……!?」
「あの人たちは…………私を……見捨てたんじゃ……ない……!信じて……くれた……んです……っ!」
痛みで力が入らずにブランとしていた腕に今まで以上の力を込め、宙音はその手で百華の両腕を鷲掴みした。
「……だから……!……私も……その信頼に、応えなきゃ……いけないっ……んだぁぁっ!!」
そう大声で叫ぶと同時、宙音は『SHAT』の訓練の中で鍛え上げた凄まじい脚力を用いて、
百華の腹部のちょうど中心に蹴りを炸裂させた。
「ぐぁっ……!」
声にならぬ声を発した百華の身体は、そのまま後方十メートルほど向こうに飛んだ。
「今だよ杏紅!百華の相手をしておくれっ!」
それを見てすかさず撫子が私に言う。
しかし私は、そう言われる直前に、既に飛び出していた。
復帰する百華を抑える為に向かう最中、私は撫子の言動の真意を漸く理解していた。
宙音は百華を前にしてから、敬語調で話すようになった。少し口を滑らせそうになると、慌てて言い直していた。
それを見る限り、宙音の記憶の中には、百華に従っていた頃のモノもあることが受け取れる。
その時に撫子は考えたのだ。
もしそのまま闘ったとして、自分と、ほぼ無敵に近い杏紅の手を使って勝ったとしても、宙音の中にある、百華(或いはそれ以外の誰か)に対する服従心は拭われぬままになる。
その状態を維持し続けたままで、今回のみならず、これ以降数多く起こるかも知れない闘いに臨んだ時、間違いなくそれは宙音の邪魔をするだろう。必要のない箍枷を取り付けて、彼女の動きを制限するだろう、と。
ならそれをどう克服するか。
『彼らは敵だ』と教え込む?そんな洗脳じみたことはしたくない。第一それでは回復はしていない。一時的に、その服重心を視界から消し去っただけに過ぎない。
白鷺 京助に頼んで記憶を完全に消去するように頼む?それでは、恐怖を植え付ける事実から逃げたような気分がして不快になるだろう。
ではどうするか。最も単純な方法があるではないか。
眼前にいる、その服従の対象に、勝たせればいい。宙音自らの力で。
今まさに、百華が宙音を窮地に追い込んでいる。身に迫る危険が、宙音の服従、或いは恐怖の心をさらに強く駆り立てていることだろう。
だからこそ、克服しなければならない。今、彼女自身の力だけでこの窮地を脱すれば、きっと何も怖くなくなるだろう。
だから今は、何もしてはいけない。杏紅に、何の手助けもさせてはならない──と。
宙音が百華を蹴り飛ばした時の撫子の、優しい、父親のような目をした笑顔を見て、彼女がそう考えていたことを確信した。
私はそれを知って、より宙音を助けたいという気持ちを昂らせた。
『勇戦状態』を未だ発動し続けていた私は、再び宙音に対して攻撃を仕掛けようとする百華の次の手を打たせなかった。
「……くっ……!お前……!」
悔しさで歯を噛み締める百華。私は得意げな顔も、彼女を嘲笑う顔もしなかった。
正々堂々、彼女を倒す。ただそれだけだった。
しかしながら、百華はそれを嘲笑した。
「……ふっ。そう言えば、お前は私が排除対象にしていたのだな。……こうなってしまったからには、お前に照準を向け直すことにするか……!」
「……やれるものならね」
口では冗句を言っているが、顔は笑っていなかった。
そして早速、私が握りしめた拳を、無防備であった彼女に向けて放った時だった。
──あれっ……?
……身体が……おかしい……。
……力が、抜けていく……!?
ダメ……脚にも力が入らない──!
「くっ……!」
私は、拳を躱そうとする百華を前にして、脚から崩れ落ちた。
「……ようやくツケが来たようだな。『勇戦状態』を長時間使用し続けたツケが」
意思に反して、ガタガタと震え続ける己の脚を見ていると、百華がそう言いながら見下ろしてきた。
「身体能力と戦闘感覚の向上、それも飛躍的なものだ。それだけの利を得るのだから、それなりの代償があるのは、お前なら判っているよな……?
……或いは、知らぬまま使っていたというのか……?」
得意になって、揶揄いはじめる百華。
それを映す視界が徐々に揺らぎ始め、次の瞬間には、いつしか見た、
『WARNING!!WARNING!!WARNING!!』
という文字と、
『ACTIVATE SUB ENERGY(予備エネルギーを起動)』
の文字が交互に現れていた。
「さあて……宙音は捕えられなかったが、まずはお前を殺ることにしようか……。予備エネルギーで、またお前が復活すれば、手を焼くからなァ!」
そう叫んで、鋭利な牙爪と共に手刀を振り下ろす百華。
脚が動かぬ以上、もうどうしようもない。
万事休すと思った刹那、
何者かの手が、それを受け止めた。
「この人は……殺らせない……!」
歯を食いしばってそう言ったのは、
緑髪が目立つ少女、角中 宙音だった。
「……ユユの仲間は、私の仲間……!仲間は、絶対に殺させない……!」
「……もうお前を“こちら側”に誘うのは諦めよう。やめにする……」
声が沈む百華。だが次の瞬間、俯いていた顔を上げて見せた表情は、私たちの背筋を凍らせるものだった。
「お前を!殺す!角中 宙音ェ!!」
見張るように大きく開いた目は、今までのように冷徹なものではなく、敵である私たちを、快楽的に殺人出来る対象としか見ていない。
それに付随するように、口角は上がりきって、戦況的不利に陥ったことで勝負を投げ打った笑みや、己の真の実力が敵方より上にあることを知り余裕を持つ笑みではない。
享楽を味わえる殺害という行為に嬉々とする笑いであった。
対してこちらは、戦闘不能したのが2人、首に重傷を負う者が1人、身体的劣点のある者が1人、と、不利とは言わずとも、有利とは言えない。
完全な形勢逆転。その状況の中、眼前の少女は挫けなかった。
「……みんな離れて……!私が……百華さんを倒す!」
「……ほう」
決意を固め吠える宙音と、『無駄な足掻きだ』と言わんばかりに見下げる百華。
そしてそれを見て、結由が声を発する。
「……おい、何を言ってるんだ……宙音……!無茶だ、そんなこと……!……せめて撫子を……なあ、撫子ォ……!」
「安心して、ユユ。私はもう、ユユの知る私じゃない。
ユユの陰に隠れて怖くて震えていた、あの私じゃないの」
温かい声でそう言うと、宙音は振り返った。
結由を安心させてやるための笑顔を。
「無事に帰って、また一緒に暮らそう……?」
「宙音……」
その笑顔は、宙音の思い通りに結由の心を休ませたが、それも僅か一瞬だった。
次の瞬間には、彼女の心は不安の二文字に支配されていた。
「撫子さんっ!早く二人を!」
「判った!アンタに任せよう!」
結由に聞いていたのが正しければ、目下の者に指示されるなんてことは、普段の撫子なら怒りそうだが、状況が状況なだけあって、彼女は宙音の指示に従った。
予備エネルギーが起動したものの、まだ全身にそれが回らず、宙音の後ろで座り込む私と、少し離れた場所で倒れる結由を担ぎ、撫子は十分な距離を取った。
それと同時、宙音と百華の戦いは始まった。
先刻戦ってみて判ったことは、宙音の戦闘における秀でた特徴は、その速度と、それを活かした連撃であり、相手に息をつく間も許さぬ連撃は、徐々に相手の体力を削り、やがて出来てしまう僅かな隙を突く。これが彼女の戦法であるということ。
そしてその高速攻撃は、たとえ重症であろうと健在だった。『勇戦状態』でない今の私では、彼女の動きを視覚のみで捕捉するのは極めて難しかった。
だがその行動は同時に、宙音にとっての危険性も生み出すことに私は気付いた。
連撃により攻撃回数を増やすということは、百華からの攻撃を受ける確率も上げていくことになる。ヒット・アンド・アウェイを繰り返し、相手が取り入ることの出来る隙を作らぬようにはしているが、
未だ治らぬままの首の抉り傷が疼くのか、時折速度が落ちるので、危うい場面は幾度となくあった。
更に敵は、宙音の戦闘術をよく知る女だ。ひょっとすると、彼女は宙音の攻撃パターンを既に見抜いているかもしれない。
その上で反撃せず、甚振っているのかも知れない。
そう思うと尚更、近くまで行って宙音を応援したくなった。
しかし、百華が宙音の攻撃を受け流すばかりであったのは、別の狙いからだった。
そう知ったのは、先ほどからずっと傍らで別の戦いを続けていた男、神多 潤の、
「危ねぇっ!!避けろ、お前らァ!」
という大声が聞こえた後だった。
何が危ないのか、私や結由、撫子はその答えを探すのに懸命になった。
しかし、その答えを見つけるのと、
何らかの手段によって、潤の目を逃れた男──豹堂 久吾が、
攻撃の前段階にあった宙音の懐に一瞬にして潜り込み、その腹部の中心を、
百華のそれよりも遥かに鋭利なその爪を擁する手で貫いている、
その場面を目撃するのは、同時のことであった。
私と結由、撫子、潤、そして刺された当本人である宙音の視線は、一斉にその腹部に集中した。
ドーナツのような綺麗な円状のその穴からは、宙音の中を巡っていた血液が流れ出て、ボタボタと地面に打ち付けられた。一滴ずつではなく、多くが塊になってこぼれ落ちることで、地面に落ちた時にそんな音を発する。何とも生々しくて、吐き気のしそうな音だ。
「……忘れて貰っちゃ……困るな」
そう言ってほくそ笑む豹堂の顔にもその血が塗られ、さながら鬼の如き顔となった。
そして、まるで思い出したように宙音が、
「……カハッ……!」
と吐血した。
「宙音ッ!!」
もはや条件反射的な速度で結由が吠える。
「最初から狙ってたのはこれか……豹堂!」
潤が大声で問い質す。
「何も狙ってたわけじゃねえさ、ただ……テメェらにもう一つ忘れて欲しくないのは、オレたちは『SHAT』だってことだ。闘技場で闘うだけの剣闘士じゃねぇ。
オレたちには任務がある。それを遂行できなけりゃ意味がねえんだ」
私はそこで違和感を抱いた。
さっきまでの豹堂と何かが違う……得体の知れない決定的な何かが。
「……豹堂……?」
そう感じたのは、百華も同じであるようだった。彼女は怪訝そうな顔をして、自らと宙音の間に立つ豹堂を見つめた。
「……百華。……アンタに言い忘れていた事がある」
ゆっくり振り返った豹堂。
かと思うとまた消え、今度は、
その百華の身体中を切り裂いた。
「言ったろ?……オレは『SHAT』だって──」




