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シアが城へ辿り着くと、門前に立つ魔法使いに入城を拒否された。そこで言い争って居ると、城内から白王が姿を見せた。



「何事だ」


「白王、セイレンと隣国の者との縁談の話を聞いたが、それは真か」


「事実だ。後日見合い日取りを決める」


「それは彼女も承知なのか?そなたの前でも、我とセイレンの誓を見せたはずだ。それはどうなる!」


「娘にも言ったが、その様な幼事には付き合わぬ。そしてあの娘の父として、お前のような愛する者の父に向かって、日頃あのような物言いをする男に結ばせる事など許すはずが無いであろう。さらに言えばあの時にお前が言ったのは、今携わる魔法が落ち着き次第婚姻を、と。落ち着いたのか?私が止せと言うに、懲りずに継続し王である私に対して悪態をつく始末。そなたの言う、誓がどうだだのの話では無い。先ずは悪態をついたことに、詫びを入れた方が良いのではないか?」


「……。……、弁えることを忘れ、無礼の態度をとった。申し訳は、ない」


「……それでは、私が止せという魔法への試みも、今後行わないか?」



白王の言葉に、シアは膝をついた。そして頭を下げるように言葉を絞り出したが、それは束の間だった。白王の問いに、彼の中に記された憶にある積み重ねられてきた識別の知、持ち得る気や投じている身が立つ場の音に色等の全て、その全てが潰し合った。そんな騒ぎを聞きつけて、白王の居る場所とは別の窓からセイレンが姿を見せてシアの姿を見つけると、身体を乗り出しながら彼へ叫んだ。



「シア様!私は婚姻など結びません。貴方と居たいと、今も切に願っています!いつも今も、セイはシアイ様を想っています」





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