表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/77

21



城を出て冷たい風に当たろうとも、気の晴れないままシアは法院へ戻った。そうすると、いつも以上に活気づく魔法使い達で、広間は賑わっていた。それを不思議に思いつつも彼が使用している机まで来ると、山になっている筈の書物が整理されていた。そしてその真ん中に、纏められたであろう書物が置いてある事に気づいたシアは、それを手に取り机に腰掛けた。違和感無く読み進め書物を閉じようかとした時、「如何でしょう」と彼は声を掛けられた。シアが書物を閉じると、右側にヒスイが立って居た。



「流石だ。城へ届けるのが、勿体ない」


「血の研究にも、進展がありました。次は他への渡血を行います」


「……そうか。これらも、纏められないか」


シアが整理された殴り書いた物を見て言うと、「そうする他、無いようですね」と、ヒスイは言って両腕で抱えて書物の一部を持って行った。そしてシアイが安堵する様子を、遠くから魔法使い達が覗いていた。その夜シアはまたひとときも無駄にしないように、魔法陣や影を扱う魔法をより一層想像していった。それから数日後、城内の広間にセイレンの声が響き渡った。



「嫌よ、絶対に嫌!どうして急に隣国の方との、婚姻を結ばなければならないのよ」


「直ぐにと言うことではない。良い縁になればという話だ」


「私はシアイ様と誓を結びました。お断りします」


「その様な幼事には付き合わぬ。一度会え」



その後も彼女の泣き喚く声が響き渡り、その話は法院へも直ぐに聞こえてきた。そして夜になりシアが顔を見せると、魔法使い達から話を聞いた彼は直ぐに城へ向かった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ