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帰路をいくシアは、城下町を歩いていた。店の明かりが消え行く中、店を閉めようとする店主に、追い出されるような形で出てきた酒に酔った男二人が、彼の前を歩き始めた。



「つまらねえ夜だ。また、あの王女を抱きたいなあ」


「まだ言ってんのかお前は。羨ましいなあおい、たったの一度でもよ。でももう無理だよな。次は法院のてっぺんとだ。流石に手が出せない」


「いいや、そんなことはねえよ。おれのはその仲になった後の話だ。この度だけと言っていたが、その一度が男にとって幾度の一度になることやら。自分以外を求められて受け入れられるのが、どれ程の痛みか。もちろんおれは、強引に迫った訳じゃない。同じ男として気が病むね。あんな女と結びつ……」



話途中の男の身体が突然に持ち上げられ、地面へ叩きつけられた。その拍子に倒れ込んだもう一人の男と、叩きつけられ何か黒いものに抑えつけられている男が見上げると、それを睨むシアが居た。影の奥で薄らと光る赤い眼光に、二人の酔いも冷めた事が余計に彼等に恐怖を与えた。抑えつけられている男はとても巨漢で、その男と駆け寄った男二人掛かりで振り解こうとしたが、シアイは動じる事無く鷲掴んだままその男を放り投げた。壁が壊れる程の衝撃に男はそのまま気を失い、シアは何も言わずにその場を後にした。そして数人の者が彼の行為始終を見ていた事で噂が広まり、数日後日の沈む夕刻に公に晒されながら白王に真相を問いただされた。



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