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「そうだわお父様、晩餐へ招待しましょうよ!」


「そうしたいのだが。しかし、シア殿の気が進まないのでは?」


「いいや、受けよう。いつも足を運ばせている。我も顔を出そう」


「シア様、そろそろ行かないと」


「ああ、そうだな。また後日、使いの者を頼む。心待ちにしていよう」



彼の心変わりに王は二人を見て驚き、ヒスイは目を見開いてシアイを見た。当日法院で見送られ、シアとヒスイが城へ着くと華やかに彩られた廊下を案内され広間に入ると、そこには王族やそれの従者にいくつかの町に居る著名な魔法使い達で溢れていた。



「美味しい。これも美味しい。あっシアイ様、あれも美味しいですよ」



葡萄酒を口に含むシアの横で、豪華に彩られた料理をヒスイは幸せそうに頬張っていた。そして魔法使い達は、シアに会える機会が普段に無いこともあり、話しかける機会を伺いながら落ち着かない様子の者も居た。



「あら、彼が法院のシア様?」



団欒とした空気に降り掛かるような声に、その場は声の方を見た。床を突き刺す様な足音を響かせながら彼女はシアの側で立ち止まり、手を差し出した。それに座ったまま握手をしようとした彼を、ヒスイが慌てて後から持ち上げる様に腰を上げさせた。



「どうした。何だというのだ」


「失礼ですよ何を言うのですか!妃様ですよ!」


「ふふ、妃のリアリです。法院の頂に在る御方が、この様に精悍な青年で驚きました。もっと、古ぼけたお爺様かと」


「何ということを!無礼だぞ!」


「いいや、構わない。我の先代は正しく彼女の印象通りだ。今は我が頂だ。我ももう少し、知ってもらう努力をしよう」



嘲笑うようなリアリに声を荒げた白王だったが、手で合図をしながらシアは彼女に答えた。彼女はそんなシアの後ろで、控えているヒスイを見て、鼻で笑うように彼等へ背を向けた。





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