表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

魂のお話

ひとつの魂が消滅するお話。

作者: 小豆

行き場を無くした迷子の魂は、生きていないものに取りつくようです。

「おやすみー」


ちなちゃんは、お母さんにそう言いながら僕の上に乗ってくる。


僕は、ちなちゃんが寝るまで待つ



ちなちゃんが寝る


お母さんが寝る


みんなが寝る


窓の外は真っ暗になる



………


みんな寝たよ、みんな起きて。

僕がそう言うと、生き物ではないみんなが起きる


「フギャアアアアアアアアアアッ!!!!!」

「うっせーんだよバーカ!!!!!」

「だって!!!俺昼間にちなちゃんがぶん回してきて!!!胸元のチャーミングなボタン引きちぎって泣きわめいたんだぞ!!!!!!」

「うっせー!!!お前人形だから仕方ないだろ!!」


「俺、生まれ変わったら人間になるんだ…」

「私は…ミシシッピアカミミガメになるわ。」

「えっ、なにそれ…!?」

「あたしはねー!ヨーロッパタヌキブンブクになりたいの!!」

「僕はトゲアリトゲナシトゲトゲになりたいなぁ」

「…!!!?」



僕はベッド。あの子はソファ、彼は人形、あいつは椅子、   みんな、生きていないものに魂が宿り、会話している


とても楽しい空間、いずれ消滅する魂が、最期を迎えるそのときまで、



誰かと一緒にいれる



僕はベッド。生前は、今僕の上で寝ているこの子の父親。


お母さんも、ちなも、僕がいなくても元気でいれるようだね。


あの子も、彼も、あいつも、僕がいなくても友達ができて幸せそうだ。


もうなにも、悔いはない。


みんなが僕を必要としなくなった時、



僕は消滅する

短いお話でしたが、トゲアリトゲナシトゲトゲみたいな面白い形をした生物が大好きな作者が小学生の頃に作ったマンガを小説化しました。

感想…できればお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] とても短い文章の中に、優しさと不思議がギュッと押し詰まっている作品。 動物の名前や、何故そういった動物になりたいのかが謎のままですが、何故か動物の名前を検索してみたくなります。 出来れば頼…
2016/08/27 15:35 退会済み
管理
[一言] 小豆様 どうもこんばんは。☆4IPON☆(あいぽん)デス。 最初叫び声が聞こえた時はびっくりしました。その後の展開もテンポがよく、とても読みやすかったです。 お父さん、優しいですね。感動し…
[一言]  小豆 様  はじめまして、富山k2と申します。  『トゲアリトゲナシトゲトゲ』が気になって調べてしまいましたw  葉虫の一種だそうですね。トゲのある成虫のなかに、トゲのないのもいるそうで…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ