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深海  作者: コロロム
1/3

私の…

「あ~もーイヤッ!」

がちゃーん。。。嫌な物音がする。

「あんたも片付けなさいよ!」


私は12歳。そしてエミという。

私の名前を呼んでくれたのは、大地震の時だけだった。

チラッと横目で時計を覗く。

現在夜6時33分。


「お母さん…仕事は…?」

「イヤーン、伸ちゃんが来ちゃうー♡♡

アンタ、外に出ときな!」


チャリン。500円ほどのお金を投げられる。

「…うん」

1枚1枚拾い上げる。


いいんだ、もう慣れっこだ。

ペダルに足をかけ行くあてもなく漕ぎ進む。


コンビニでサラダとおにぎりを買おうとしたとき。

カッターが目に入った。

これでお母さんを殺せば…?

私は幸せになれるんじゃない…?


そんな思いで一つだけ買った。


おにぎりとサラダを無表情で食べ進めた。

ふと、レジ袋の中のカッターが目に入った。

特に何も思わなかった。


「おかあさーん、おかしかって~」

小さな男の子が駄々をこねている。

「駄目よ、家にまだまだあるでしょ」

男の子からお菓子を取り上げ棚に戻す。


こんなふうに希望も取り上げられていくのかと思った。

でも、少しお母さんに会いたくなった。


こんなふうに愛してくれるかな…って。


自転車に乗り帰路についた。

一軒家の家。でも、つるが巻きついたり散々な家だ。


きぃぃ…


「しんちゃぁん、♡一緒にお風呂はいろぉ?」


バタン。

一言目で私は扉を閉めた。

そして、駆け出した。


愛されているかもなんて、考えた私が悪かった。

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