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「やぁ、飛ぶようにチケットが売れたねっ」
「ほんと…この会社に来て初めて黒字…」
「こんなに動いたの、久しぶりです…」
「お疲れ様。3人とも休んでいいよ。」
クターとテーブルに突っ伏す3人。
いつものマグカップにコーヒーを注いだ。
「あ、皆ここにいたか。」
「お、先生、お疲れ様ですっ」
「先生とかやめろよ〜」
からかう岩崎くんとワチャワチャしだす。
「まぁ、とにかくだな、皆ありがとう!」
「どうしたの、急に。」
「正直、個展なんて10年後くらいかと思ってたし、
…だからまぁ、ほんと皆には感謝してる。
ありがとう。」
岩崎くんは目をウルウルさせて
和ちゃんは真っ赤な顔をプイッとそっぽ向けて
沙耶ちゃんは嬉しそうな顔して
「私からも。
物凄く忙しい中、こんなにもスムーズに動けたのは皆のおかげです。
本当にありがとう、これからも宜しくおねがいしますっ」
「もぉ、櫻ちゃん大好き!」
「俺も俺も!」
「私もです!」
「ち、ちょっと!あんまくっつくなよ!」
「うっさいおじさんですね、
あんたは溜くんとでもくっついてなさいよ。」
「え、和そんな扱い⁉︎」
「さっきまでイチャコラしてたじゃん。」
私を抱きしめながら、
径くんと岩崎くんを冷たい目で見た。
「あ、和、やきもちだ〜可愛いなぁ♬」
「そんなんじゃないから。」
「もぉ、ツンデレ♡」
「都合の良い頭だな、おい。」
「はいはい、やきもち和ちゃんは岩ちゃんとイチャコラしてきなさい。」
「なに和ちゃんって、キモ。」
「おいこら、」
「櫻ちゃーん、変態おじさんがいじめるぅ。」
「変態おじさんってなんだよ!」
「そのまんまですけど、なにか。」
「和、俺んとこおいで!俺の腕が寂しいって言ってる!」
「とうとう幻聴まで聞こえるようになったの。
そこのダルマでも抱いてなさいな。」
「うぅ〜」
「まぁまぁ。」
和ちゃんに冷たくあしらわれて、半泣きの岩崎くん
それを宥める沙耶ちゃん
言い合いを続ける径くんと和ちゃん
これがいつもの日常。
とてもとても、幸せな時間。
fin.