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いよいよ、バレンタインデー当日。
和ちゃんから聞いた"あること"
私としても、良い案だと思ったけど
まさか照れ屋な美也ちゃんが、思いついたなんてビックリで。
もしかしたら、私が思ってる以上に今年は気合いがあるんだなって。
そう思ったら、和ちゃんが可愛くて可愛くて。
自分のことなんてそっちのけで、
うまくいったらいいな、って
可愛い可愛い彼女を浮かべた。
「ただいま〜」
大きな公園に絵を描きに行った径くんが帰ってくる。
ひっそりと、私はタンスの中に隠れた。
「櫻〜?居ねぇの?」
ドキドキ。
緊張のあまり、音を立てないように
息をひそめた。