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惚れた弱み


side和






ドンドンドンドンドンッ



「和!開けて!」





…でた、でたよ。





ガチャッ





「なに。」


「ちょっと、チェーンついてんじゃん!」


「あんた何時だと思ってのよ!

マナーってものを知らないのか!

時計見えてる?数字読める?」


「そこまで馬鹿じゃないよ〜」


「酔っ払いを相手にしてる暇などない。

さっさと帰れ。ホーム!」


「ちょっと、犬じゃないんだからさ〜」




今日は定時に終えられたからか、

山風さんと溜くんは肩を組んで飲みに出かけた。




…久しぶりの定時だったのに。


ゆっくりできるのに。



最近、まともに2人っきりになれてないのに。





「早く帰れ。忙しいの。」


「こんな時間に?何してんのぉ?」


「関係ないでしょ!ほら、早く寝なよ。」


「うん、和と一緒に寝るー」




…ったく、酔っ払いほどタチの悪いものはない。




「そんなに私と一緒がいいなら、なんで今日飲みに行っちゃうのさ。」


「え?」


「今日、久しぶりに2人っきりになれるかと思ったのに。

山風さんと飲みに行っちゃったじゃん。」




あー、こんな風に言うつもりなんてなかったのに。





「和、ヤキモチ焼いたの?」


「う、うっさい!」


「ごめんね?今度からちゃんと考えるから。

今日のことは許してください!」


「…仕方ないな。」


「へへ、ありがとう。」






















「とりあえず、ここ開けてくれないかな?」


「やだ。」


「えぇ⁉︎ここまできて?」






キャンキャンと犬のように吠える。



なんたって、チェーンがまだ付いたままなんだから。



縋るように私をみつめる。




惚れた弱みだな、ちくしょう。


































「…嘘だよ。」





ガチャッ







どんな貴方でも、好きになった私が負け。



許さざるを得ないんだから。






fin.

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