おまけ
side櫻
「メリークリスマス〜!」
「ぶふぅっ」
先にうちに帰ってて、
って言われた私は径くんの家でおとなしく待っていた
そんな彼が、真っ赤なサンタコスチュームで現れたら、誰だって笑うでしょうよ。
「どうしたの⁉︎」
「ん?サンタ。」
「いや、それはわかってるよ。」
「ほっほっほっ、良い子にプレセントを届きに来たサンタだぞよ〜」
「うわぁ、サンタっぽい!…じゃなくて。」
「ん?不満か?」
「や、そうじゃなくて、どうしたのかな?って。」
「あぁ、驚かせようと思ってな。
どう?驚いた?」
「うん。すごい驚いた。」
径くんのやることは いつも突拍子で
いつもいつも驚かされる。
「はい、プレゼント。」
大きな白い袋に入っていたのは、
キャンバス。
「…もう、径くん。」
「どう?」
「美化しすぎ。私、こんな綺麗じゃないよ…」
「なに言ってんだよ。櫻は綺麗だよ。」
微笑んだ私。
真っ白なシーツに身を委ねて、
剥き出しになった白い肩が恥ずかしい。
「俺しか知らない櫻。
朝、目が覚めて おはよう、って微笑んでくれるでしょ?それが、たまらなく幸せなんだ。」
「径くん…」
「夜の名残で色気を含んだ櫻とかたまんなくなるよね。」
「変態。でも、ありがとう。」
ギュッと抱きしめる。
「あ、そうだ。私からもプレゼントあるの。」
「首にリボン巻いて私がプレゼントだよ。とか?」
「エロオヤジ発言はやめてくださーい。」
紙袋をそっと渡す。
「頑張ってみたの。この間、径くん寒そうだったから。」
中に入ってるのは、手編みのセーターとマフラー
「めっちゃ嬉しい。ありがとう!」
今日はクリスマス。
聖なる夜は、大好きなあなたと共に。
fin.