第二話 〜イチゴからのメッセージ〜
私は、死んだのだろうか……。
何だか魂のように、身体が軽い。
ここは真っ暗で何も見えない。本当にいったいどこなのだろうか。
すると、一筋の光が差し込んできた。
そして、その光はだんだんと広がってきた。
いつの間にか、少し明るくなっている。
パタッパタッ……。パタッパタッ……。
何か、生き物が軽やかな足取りで近づいてくる。
「キャン!」
子犬の鳴き声だ。
「キャン!キャン!」
ふと、下を見ると尻尾を振るイチゴの姿があった。
思わず私は、嬉しくなりイチゴを抱き上げた。
「キャン!キャン!キャン!キャン!」
イチゴも喜んでいるようだ。
……やった。やった。やったー。
イチゴに会えてる=死んだってことだよね??
すると、どこからか声がした。
―――私がいなくなったからって、美恋ちゃんが自殺するのはダメだよ。美恋ちゃんの心の中で、私は永遠に生き続けているのだから―――
この言葉の内容的に、この声の主はイチゴだ!
そして、私は今私の腕に抱かれているイチゴの頭をそっと撫でた。
イチゴの体温が、私の手に伝わってくる。
「ごめんね、イチゴ。私、イチゴがいなくなって困惑しちゃってたみたい。きちんと生きるね!」と自分の意志をイチゴに伝えた。
すると、イチゴらしい声の主は
「ならいいわ。一生懸命生きるのよ」と言い、少しずつイチゴの姿が薄くなっていった。
だんだんと、さっきまで感じていたイチゴの重さや体温が薄らいでいく。
そして、ついに姿も形も跡形もなく、私の前から消え去ってしまった―――