第十二話 戦いの幕開け ~その3~ 行った先は隣街
今回は短いですが、どうぞ
それから数秒後、軍議室の立って居た場所に部員が集まり初めて居た。
理由は、部長及び副部長がその場に居なかった事と、軍事サークルの副部長が突如として能力を使って離れた事に少なからず動揺を誘ってしまった様で有る、
しかし、その場に集合し始めたのはあまりよろしく無かったりする、その理由は…
「おい、部長と副部長が居なくなったって…本当か?」
「あぁ、あの普段冷静な副部長が能力まで使って部長とファン副部長を追いかけたらしいぜ」
「マジかよ…あの部長以外にはなびかない事で有名な副部長がか?」
「いや、今の話だと部長も居ただろ」
などとくだらない話を続ける部員達、そして話は更にエスカレートして行く。
「てかあの部長の身長の低さは無いよな」
「何言ってるのよ。
確かに前の部長の方が格好良かったけど今の部長は可愛いじゃない」
等々と至らない話で盛り上がり始めた部員達、そんな部員の後ろ側からバイクに乗って居た少女が降りて被って居たヘルメットを取り、まとまって居たショートヘアを頭を振る事により自然な感じになる。
しかし、その少女は今の一真の姿に良く似て居るが、少し違う…正確には、髪の色は覚醒後の色…つまりコバルトブルーで有る、後は眼帯を付けて居ない事だろう…
それは良いとして、そんな彼等・彼女等を見て心底呆れた様な顔をしながら隣りに立って居るメイド服の女性に目を向ける。
すると彼女が何を求めて居る事を理解して居るのか、黒い唾の付いたハットに似た羽の付いた帽子を手渡す。
それを受け取り被った後、深々と溜め息を吐いた。
「はぁ…こんな馬鹿で愚かで屑みたいな一同が兄上の部下だなんて…不便過ぎるわ…」
「同感です。
ですが…中々優秀な人材も混ざって居る様ですね、性格には少し難が有りそうですが…」
「アリシアもそう思う?
そこだけは認められるわね。
不思議よねぇ…優秀な人材って何でこう…おかしいのかしら?」
二人はほぼ同時に首を傾げながら辺りを見回して居ると、突如空間がぶれてその場に一真とアリア、片腕を無くしたリンが現れたので有った。
同時刻、一真とリンを連れたアリアは途方に暮れていた、
(失敗しました…まさか隣りの学園都市に転送してしまうとは…)
そう、彼女達…正確にはアリアの演算ミスにより一つ先の学園都市に転送してしまったので有る。
しかし、幸いな事に出て来た場所が路地裏だったので目撃者は皆無…だが演算ミスにより力を殺し切れなかったらしくその衝撃波に絶え切れなかった様で周囲に有ったビールが全て割れてしまい多少は音がしたが誰にも見つからなかった様だ。
(少し被害が出ましたが…まぁこの程度なら問題無いでしょう…)
などと考えて居ると気絶して居た一真が目を覚ました。
しかし、その様子はいつもと若干違う事に気付いたアリアが一真を気にかけていた。
「あの…部長?
大丈夫ですか?」
「…れた…」
「え…?」
「…折れた、最高の硬度と伸縮自在…何より父さんの形見が…!?」
今まで溜め込んで居た感情が一気に決壊した様に大声と大粒の涙を流しながらその場に座り込んでしまった一真をあやすアリアで有った。
それから数分後、泣きやんだ一真を抱き抱えたまま動こうとしないアリア、流石に恥ずかしくなって来たのか、顔を赤くして彼女から離れようとする一真、
「…アリアよ、もう良いから離してくれ、流石に恥かいから…」
「嫌です、と言うか…私が離したくないんです」
「しかしだな…」
渋るアリアを何とかして引きはがそうとする一真。
しかしアリアもそれなりに抵抗するため、体の小さい一真は成すがまま、されるがままと言った感じになって居る。
そしてその光景を見て大爆笑しながら起き上がった、その青年は言わずとリンで有る。
「カッカッカ、諦めろや、レン。
お~痛た…」
「「リン【ファン・クィングリン】 !!
てかお前【貴方】は機械の体だから痛点無いだろ【無いでしょう】」」
「…おぉ、すっかり忘れてた、肉親は生身の人間だったからな」
高笑いしながら立ち上がりコートを羽織り歩き出すリン、その後を追う一真とアリア、その次の瞬間には彼ら姿は路地裏から消えて居た。
この先彼らに待ち受けて居る者とは…
第十二話 完
いかがでしたか?
また早めに更新します。