行方不明者
茂は死の界に、竜貴は異世界へ。
一人の死者、一人の行方不明者
茂の死体から、薬物が検出された。
茂の家は大掛かりな家宅捜索を受け、手を付けていないシャブが大量に見つかった。
事故現場からは銃弾が数百発見つかり、一帯は県警の山狩りが行われたが何も見つける事は出来なかった。
竜貴の行方も、県警の警察犬が数頭出動したが。
トンネルの中程から途切れ、探しだす事は出来なかった。
俺はリザード族のジュケットだ、村には人間も居るし獣族もいる、何か手掛かりは有るだろうと。
ジュケットは改めて自己紹介をした、竜貴には多少の違和感は有ったがそうなんだと納得している。
竜貴にジュケットがたずねた「リューキの歳は幾つだ」。
キョトンとした表情の竜貴に、あっ、そうだった記憶が無かったんだっけな。
ジュケットはバツの悪そうな表情で「すまんすまんと謝った」。
いいんです、ジュケットさんこそ何歳なんですか、まだ若い様ですが。
河原で食事をしながらそんな会話を交わしている二人、随分と打ち解けた様子である。
俺か、二十二だよ村で鍛冶の修行して居るんだ、石拾いはこづかい稼ぎさ。
十二の歳から鍛冶の修行をしているけど、一人前に成ったと言えばそうなんだが。
まだまだ半人前っても言える、そんな感じかな、給金は貰えるけど半人前だしさ。
それがまぁ、まだ半人前の給金しか貰えないから半人前の証拠かな、てへへだね。
で、リューキは何歳だ「分かりません」即答かよ、まぁ仕方ないな。
何歳位に見えますか、そうジュケットに竜貴が聞くと。
ん~「ここら当たりの人間なら十二・三かな」人間の年齢は分かりにくいけど。
「俺も分かりにくいです」そう、竜貴は内心突っ込んだ。
それはそうとこの槍、俺が打ったんだよ。
そう言いながら見せてくれた武器は、シートソードに長い柄を付けた様な物だった。
ジュケットは、刺したり切ったり出来るけど、一寸違う様な感じがするんだよ。
リューキはこれを見てどう思う、そうジュケットが聞く。
竜貴は「こう言う武器って刺すのが特性でしょ、切るって言う特徴も持たせたって半端だと思う」
いっそのこと、刺す動作でぶれてしくじらない様に、両脇に小さい刃の付いた部分を付けたら。
そう言いながら、このぐらいの刃と握りこぶしを添えた。
成る程、半端かぁ~「あっ、生意気いってすみません」と、竜貴が謝ったが。
好いんだよ、俺もさっき言った通り異和感あったしな。
「所で、どんなの食べているんだ」。
と、言いながらジュケットは竜貴が食べている物を覗き込んだ。
リューキは、もう一つ入ってましたからどうぞとサンドイッチの弁当を差し出した。
転んだから一寸混ざっちゃた見たいですけど、味は変わってませんから。
ジュケットは、差し出された容器を見て「中が透けて見えるなんて、初めて見た入れ物だ」。
中のサンドイッチをも「きれいだ、本当に食べ物かよ」匂いを嗅ぎ旨そうだぁ~と、歓声を上げる。
リューキはこれをどうして食べ物と思ったのかな、ジュケットは妙な事を聞く。
竜貴は「え~、だって好い匂いがするんですよ、食べ物以外なんて考えられないですよ」。
ジュケットは「成る程本能か、記憶が無いって言うからどの辺りまで記憶が無いのか気に成ってな」。
ジュケットは更に聞く「後、かすかに残ってないか。絵の様なのとか音の様なのとかさ」。
話を聞きながら「竜貴はペットボトルの蓋を開けてジュケットに差し出す」。
差し出された物を見てジュケットは「リューキこれは何だ」と、そう聞けば。
竜貴は「えっ、呑み物らしいからなんとなく開けただけだよ」そう答えれば。
ジュケットは呑みながら「リューキ、この世界にこう言う開け方をする容器は無い」中身もなと、付け加えた。
「それに、左腰の剣は兎も角、俺に付き付けたそれだって武器だろう、見たことも無いけどな」付きつけられた時なんか物凄くヤバいと思ったっからさ。
あ~、そう言えばこれの扱い方は覚えているみたい、何故だろう。
ジュケットが、どう言う武器なんだ聞くと。
竜貴はM4を構え、水面に向かって3発撃って見せた、射撃音がこだまする。
ジュケットは「すっげぇ、なんだそれ」跳弾となって向こう岸に消えた弾が音を立てる。
「リューキ、お前って別の世界から来た人間みたいだな」そうジュケットが言う。
え~「それは無いでしょ、こうやって普通に言葉も通じるし」そう竜貴が言えば。
ジュケットは「その可能性の話だ、今見た物総て俺は生まれて初めてな物ばかりだ」。
まぁ、「村に帰って、リューキの持ち物を総て見ればはっきりするさ」ジュケットは言う。
竜貴は、内心物凄い不安を覚えたが、何故かそれを言ってはならないと思った。
さあ帰るか、そう言いながら立ちあがったジュケットが、ヤベッ「リューキあれを見ろ、草原の方向を指さした」低く滑空して、何かが近づいて来る。
鳥ですか、そうジュケットに聞くと「空から来る死神さ」隠れるぞと言うが間に合いそうもない。
竜貴はジュケットと岩影に身を隠し、銃を構え飛んでくる死神と言う飛ぶ物の頭部に向かって撃った。
弾倉が空に成るまで撃つと、飛んできたそれは河原に転がる様にして落ちた。
大きい、飛んでいる勢いでここまで届くなんて、危うく下敷きに成るところだった。
ピクリとも動かない、どうやら死んでいるみたいだが。
傍に居たジュケットは、恐怖で半分気絶状態な様子、声を掛けながら肩をゆすると。
「生きてる、俺は生きてると叫んだ」余程の恐怖な対象らしい。
リューキ「お前は怖くないのか、ワイパーンだぞ、地べたを歩く俺達を攫って喰う奴だぞ」半狂乱だ。
ワイパーン・・?、どこかで聞いた様な気もするなと竜貴は思ったがそこまでだった。
平然とした表情の竜貴に、脱力しているジュケット、そうだったなんにも知らなかったんだっけ。
竜貴は「ねぇジュケットさん、これって食べれる?と聞いた」。
へっ、そんな表情のジュケットは「肉をか」と、竜貴に聞く。
うんうんと頷く竜貴に、ジュケットはその豪胆さに天を向いて肩をすくめ呆れる。
ジュケットは「俺は喰った事は無いが、食べれるとは聞いたことが有る、味は保証しないがな」。
んじぁあ、「売れる」と、又ジュケットに聞いてくる。
ああ売れる、色々と使える部位があるし。リューキは一寸した小金持ちに成ったぜ。
村にギルドが有るから呼んでくる、一人で待っていられるよなとジュケットが言うので頷く。
竜貴は、頼みが有るとジュケットに言う「着る物を持って来てくれないか、この格好は変なんだろう」。
服の代金は売れた中から支払うから、それからこれの代金は半分こな、しばらく厄介になるのだしね。
リューキ「知らないから仕方ないが、時にはもっと考えてから言えよ」これからもこんなのが獲れるなんて分からないんだ。
「リューキがどこから来たか今は分からないが、生きて行くのに頼れるのは金だ」多分どんな世界でもな。相手が要求するまでは金の事は何も言うな「それがここの世界の常識だ」そうジュケットは言う。
着る物の事は分かった、ギルドの連中より早く来る、また危険な奴が来るかもしれないから用心しろ。
そう言ってジュケットは走り去った。
小説の書き方なんて知りません、勉強もする気もありません。
なので批評は受け付けません、素人が暇つぶしに書いてますんで。