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暗闇のトンネルから異世界へ  作者: 犬のしっぽ
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通信手段は無いのかよ

スイ伯爵が徒歩で三ヶ月をかけミーキに来た、交通手段の稚拙さもそうだが。

通信手段が馬か鳥を使った文書の交換なんて、リューキはイライラしています。

「ナミバさん、一寸聞きたいんだけど」


「リューキ王子なんでしょうか」


「ナミバさん、それ止めてよね、転がり込んできた奴なんだから」


「いいえ、とんでもありません、直にお顔は存じ上げませんが。ミーキ王妃様に親子三人を助けていただいた立場です、レットさんやラビルさんが王子様と認めている方に。ぞんざいな言葉で話す等出来ません、恐れ多い事です」


「はぁ~、せめて王子はなんとか成りませんか、妥協点はどこでしょう」


「様と敬語を略す事は出来ません」


「そこを何とか身内と言う事で」


「ああ、身内等と勿体ないお言葉で御座います」


「あのね、俺はジュケットに拾われてここに居るのだよ、ジュケットは俺の恩人。恩人の母親に敬語を使わせたり王子様等と呼ばせたり、どんだけ生意気な小僧ですか俺は」


「いいえ譲れません、立場の有る方が同席する場合があるかも知れません、不敬に思われます」


「だったら同席して居無い仲間内の時だけならいいでしょ」


「つい口癖になってひょいと出ましたら困ります」


「分かった、では王子として命令する、王子と呼ぶ事と敬語は禁止する」


「それは卑怯です、権力の乱用で御座います」


「権力は使う物だと聞いたことが有るね、文句は言わせないよ」


「なんと我儘な」


「なんて頑固なんだ」


「もう分かりました、様だけは譲れませんけど」


「仕方が無い、それで我慢しよう」



「おうリューキ来てたのか」


ゴシッ。


「いでででっ、なにすんだよお袋」


「リューキ様になんて言う言葉づかいなんだよ、このバカ息子が」


「何言ってんだよ、俺とは歳が離れているけどリューキとは五分の義兄弟だぜ」


「なんて恐ろしい事を言うのよこのバカ息子が、立場を考えなさいってば」


「ナミバさん、そう言う事でナミバさんは俺の義理の母ね、よろしくかぁちやん」


「あうあうあう」


「あ~あ、かぁちやんを泣かす悪い子だなリューキは」


「あーそれを言うのかよ、空気読まないって何時も泣かせているのはジュケットだろ」


「マジかよ、俺って空気読めねぇて言うのかよ」


「ああ、俺が言うんだ間違いないって」


「なぁ、リューキ、俺泣いていいか」


「五月蠅いから駄目に決まって居るだろ」


「じゃあこの気分はどこにやれって言うんだよリューキ」


「そこらにいる虫にでもやったら」


「貰ってくれるかな」


「しらん」


「そんな無責任な」


バキッ。


「ギャン、なにをするんだよおふくろ」


「リューキは遊びに気訳じゃ無い様だよ、何時までも遊んでいるんじゃないよ」


「あっ、おふくろ、呼び捨て敬語無し」


「い、いいんだよ、義理でも母親なんだから」


「切り替え結構早いのな」


「あ゛~なんか言った」


「いえいえなんでも、で、リューキ今日はなんの用だ」


「それなんだけどさ、遠くに居る相手と話す魔法とか魔道具って無いのかなと思ってね」


「昔は有った記憶があるけど、今は見かけないな」


「昔使った事が有るけど、あれは便利だったわね」


「そんな便利な物、どうして今は無いのかな」


「魔石の値段が高い、風魔法が使えないと無理、つまり万人向きでは無いって事ね」


「作りが複雑怪奇で大量に作れない、だから高価な物だったんだよ」


「特権階級的意味も有って嫌われたのよね、魔法を使えない人って多いから」


「ふ~ん、では俺が新しく作ってもどこからも文句は来ないって言う事だね」


「あら、リューキが作るの」


「出来るかどうかは分からないけど、作らないと不便で仕方が無いんだよ」


「そうよねぇ、リューキは忙しい身だから特に欲しいわよね」


「荷物にそんな感じの物が有るはずだから見て来るよ」




作戦本部に泊まり込みの状態のリューキは、久し振りに自分の部屋に入った。荷物として入って居た本は総て持って行ったが、大半の物は不要と判断して置いて行った。今手にしている物は、どこかに居る相手を呼び出し話す機械と認識しているリューキは。これと同じ物は作れないとしても、魔法や魔石・魔鉱石が有るのだから作れると思って居る。





これが作れたら超便利だな、今貰いたい情報や知りたい情報をを素早く手に入れられるし。伝えたい情報を伝えたい相手を選んで送れるならこれほど便利な物は無いなし、大人数で同時に会議が出来る様にも作ればその場を動かなくてもいいからな、絶対作ろう。ん~部隊同士で使えたら連携もしやすいし、状況判断にてこずる事も無くなるな。いっその事顔や景色も送ったり受け取ったり出来る様にしようかな、状況がリアルに分かるし尚結構ってね。




「ナミバさん、一寸良いかな」


「なにかしらリューキ、あらそれは」


「うん、今作ろうと思って居る物を入れる容器かな」


「かなって、どういう事かしら」


「う~ん、このままそっくり作っても使えないと思うんだ。だから取りあえず組み込む基本の形を作りたいんだよね、どの工房に頼もうか思案しているんだ」


「金属では駄目なの」


「簡単に大量に作れないとね」


「それじゃあ魔物の堅い皮なんてどうかしら、その位の大きさなら切れはしでも作れそうだから小物入れを作る工房なんてどうかしらね」


「それ、ギルドにナミバさんが交渉してくれないかな、俺が行くと騒ぎになるから」


「あっ、そうだ、俺はこれを作るけど出来上がって試して良かったら大量に作りたい」


「発注の窓口が欲しいと言う訳ね」


「お察しの通りですおかぁちゃん、後は出来上がりを待っていてください」


「お、おかぁちゃん、あうあうあう~」


「じゃあ頼んだよ、言っておくから窓口になる人一度よこしてね」



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