馬鹿な神、母は嘆きの底へ落ちそうですが、復活ってね。
あんたの頼み、最大限叶えるよ。
あの奴何を考えてんだか、俺ん所の人を何度も攫いやがって、タコ殴りにしてやろうぜ。
大体な、星と星の間とか、世界と世界の間を簡単に人を動かすなんてなぁやっちぁいけねぇんだよ。それを訳も無くホイホイやりやがって、馬っ鹿じゃねぇのかあいつは。あんたが滅茶苦茶腹をたてんのも当たり前だ、俺と一緒にボコってやろうぜ。
「あの、神様ですよね」
「ん~、まぁな、そんな風にも呼ばれているな」
「とても気さくな方なのですね」
「いやぁ~そう言われると照れるなぁ」
「ボコるって言われても、わたしは殴れるのですか」
「はいな、なんぼでも殴れるぞ、俺の力全部やったからな」
「それでは今、神様はなんの力も無いと言われるのですか」
「へっ、なんでそうなるの」
「だって力を全部私に下さったと言われましたが」
「それ違うって、あんたは俺の持つ力を全部使えるって言う事さ」
「えっ、もしかして力を複製して私に移したと言う事ですか」
「ピンポ~ン、当たり。幾らなんでもな、流石に俺も力がなく成ったら存在できんわ」
「それはそうでしょが、神様、物言いが少し軽くは有りませんか」
「ん~、重々しい言葉で言おうが軽々言おうが遣る事一緒やん」
「威厳の欠片も感じませんし・・・」
「安っぽいってか、いいんじゃよ、仲間があんたには迷惑かけたんじゃし」
「わたしが向こうの神を殴れるとおっしゃいましたが、肉体が有るのでしょうか」
「ああそれか、肉体を殴るられるより痛いところがあるさ」
「例えばどんな事でしょうか」
「薄々分かって居るじゃろうが、精神的苦痛だな」
「あの、言葉責めとかでしょうか」
「はいな、あんたのかぁちゃんでぇ~べぇ~そぉ~的な奴な」
⦅わたしはこんな変な神様達に苦しめられた訳、なんだかもっと情けない様な気分に⦆
「あれれ、なんか落ち込ませかいな、気楽にいきましょ」
「肉体があった頃より余計腹が立ってきたわ、この神様のせいかしら」
「えっ、俺・・俺ですか、それはないでしょう」
「八つ当たりも有りですわよね、間抜け神様」
「間抜けぇ~、わしのどこが間抜けじゃぁ~」
「話ばかりで、到着の様子が無いを不思議とは思いませんか」
「おろっ、た、確かに、奴め何かしおったな」
「空間を捻じ曲げた様ですね」
「ふ~ん、それでどこへ放りだそうと言うんだよっと」
「おっ、始祖の神だとお~、時間軸もいじったようだな」
「多分、空間と時間軸を捻じ曲げて別異次元に投げ出そうってか」
「居場所がわかりましたわ、貴方様より間抜けの様ですわね」
「グサッ、遠慮がなくなりましたよ貴女、酷いんじゃない」
「あら、始祖の神様が片目を開けたわ」
「近づくなの合図たろうな、あれを超えたら終焉の神が居るからな」
「あら、隣合わせに居るのですか」
「当然だな、始まりが有れば終わりがあるからな」
「あの狭間に入ったらどんな神も抜けられん」
⦅その通り、われのしたい事を邪魔するは失笑千万⦆
「片腹痛くはありませんか、お馬鹿の毛なし薬缶頭神」
⦅むっ、毛なし薬缶頭とはなんだ、肉体なぞ持っておらんかの分からん⦆
「あら、イメージ貧困ね、やっぱり馬鹿なんだ」
「ぎゃはははっ、わしは分かるぞ、ぬしよりましな神じゃ」
「あら、わたしには同じ位馬鹿に見えますが」
⦅なに、その間の抜けたそれの気よりもか、無礼者が⦆
「なんじゃとぉ~、わしはお前の味方ぞ、その味方になんと言う事を~」
「始祖の神様だって似た様なものよ、情けない」
「ぐおぉぉ~、始祖の神に喧嘩をうるとはなんと云う女子だ」
⦅恐れを知らぬのにも程が有るぞ、始祖の神が目覚めようぞ愚か者め⦆
「やっぱり両方馬鹿だわ、わたしは今肉体なんてないのよ、性別が有るわけないわ」
「ぬぬっ」
⦅うぐぐぐっ⦆
その方らうるさいぞ、何用あってここまで戻った、答えによっては狭間に入れるよがよいか。
「始祖の神様、わたしはあなた様の作った馬鹿を看板にし背負うているそ神に。良い様に世界を何度も渡らせられ、その上愛する夫と子供二人とも切り離されました。考えてみればそれは始祖の神であるあなた様の責任、人なれば神を恐れぬ物言い様では御座いますが。抗う事の出来ぬ人の怒りの八つ当たりとおもしべして、このそれ二つに相応の罰を願います、当然始祖の神様も同然に御座りますれば同様に罰して下されまし」
ほう、やけっぱちの戯言かと思えば・・・・成る程こ奴ら馬鹿じゃな。何故に世界渡りなどをこの者に課したのだ。
⦅暇だったんで、異世界同士の人間達に子が出来るのか見たかったんだよ。最初は余りに小さかったんで失敗したんでさ、大人になってもう一度渡らせたんだよな。子供が生まれたんでもういいやって思って放っておこうとしたんだけど、もう一人お腹にいるのが分かってさ。魔法のある世界から魔法の無い世界に生まれたらどうなるのか知りたくてさ、又元の世界に戻したんだよ。生まれた子供は魔力の器ばかり大きくて中身が入る事がなかったんだ、だから子供を魔法のある世界に渡らせただけだよ。あっ、魔法のある世界は自分が作ったのさ、いろんな種族取り交ぜた世界だぜ⦆
「たったそれだけの事で私達四人を苦しめた、いえ、もっと多くの人々を巻き込み苦しめ悲しませ傷付けたのですか。なんと神とも思えぬ、愚かが過ぎます。始祖の神様はあれを見て恥ずかしくは有りませぬか、貴方様が作ったのですよ。それにそこに居るもう一つの神、知って居ながら黙って見て居たのは何故ですか。親切ごかしにフヨフヨと出てきましたが、底が知れた話です、分からないとでも思ったのですか」
「あ~あ、ばれてんのね。いや~あなにね、ほれ俺ってば八百万の分身神を作っただろ。なんで滅茶苦茶忙しかったんだよ、なんで一人くらい居なくなっても別にいいかってその時は思ったんだけど。なんかやっぱそれは面白くない訳よ、勝手な事をされてんだからさ。そんで出来れば子供だけでも戻したかったんだよね、そこに完全に気が飛んだこの人間が来た訳よ。誤魔化せるっちゃ言い方悪いかも知んないけど、その願いに乗っかった訳よ」
「なんと勝手な、神とも思えぬ所業と身勝手さ。始祖の神様あなた様の責任です、寝てなど居たから事が起こったのです。出来れば彼方様より上位の神にあなた様様を含めて訴えたい所で御座います」
われより上位の神が居る事をどこで知ったかはどうでもよい、そうだなわれにもその責任の一端はあるゆえそなたの願いをその馬鹿者神に代わって叶えよう。
「わたしはただ夫と二人暮らしたい、子供達二人はもう大人に成り掛けています。下手に手を掛けようとすれば良くない結果になるやもしれません、見守れる距離でいられればそれで良いのです。母であり妻であるささやかな願いをどうか叶えて欲しいのです」
ふむ、肉体を再度願うか。
「神とて無い物を、永久の命等おろかしく欲しくは御座いませぬ」
我への戒めは眠らぬ事としたがそれで良いか、この神ふたつにはどの様な罰を与えようか。
「わたしの二人の子が命尽きるまで、馬にでもなって仕えて頂きましょう」
合い分かった、二つの星は我がみよう、その方達、少しの間退屈はせんだろう。
「精々尻を叩かれませ」
それだけでは足りぬな、魔法に多神などあっては成らぬ事よ、今あるは仕方なし。二人の子の命尽きた時、次元の狭間で終焉の神が目覚める時まで居て貰おうか。退屈はせぬぞ、ありとあらゆる苦しみがその方達に襲うだろうからな。
それから二人のこの母よ、そなたは命尽きたなら、我に代わってその星の神となれよいな。これはけじめだ、我を罵ったのだからその報いじゃ、永久の命では無いからな。
では行くがよい。
「この始祖の神も勝手な事を、頭が痛いわ」
あ~い~、話に成ってはいません、書いている俺がバカなだけ。
そこ、拍手いらないから。