幕間 国の数と相関関係
戦略をたてるのに、国の数とその相関関係を知らないでは動けないし動かせない。
でっ、ミーキ国は国としての規模はどうなっているのかな。
レット総司令、ご説明をよろしく願います。
知られている国の数は五十六、ですがまずみなを回る事は無理でしょう。近隣の関係する国は十八ヶ国位でしょうか、直接・間接・血縁ですかな。ミーキの現状ですが、表立って言える国民の人口は一億三千万人です。なぜそんなに人口が有るのかと不思議でしょうね、我々は王妃様がお姿を消しす前に言われたのです。
「奥地にはまだまだ誰にも知られていない村や町が在るようです、その存在を明らかにし国としての体制を整える基礎基盤にしなさい。ただし秘密裏にですよ、いずれ国になる政治経済国防に大切な地域です。仇やおろそかにして良い地域では有りません、まずは種族を問わず大切に接しなさい。城は石だけでは作れないし建てられません、みな生きる方達の力を集めてこそ建てられるのです」
いやぁ~、奥地の広い事、初めはその広さに参りましたよ。国が有るとかの情報も無いし、海が有るとも聞こえて来ません。ただ隣国の一つ、ビントラント王国と奥地南東部には大きな山脈が有りまして国境線の形になっています。今居るミーキ王妃領だった地域の東側だけが出入りできる国境線に成っています。奥地の部族や集落の長を色々と慰撫しながら取り込んで来たのですよ、戦う等とんでもない。多くの国が有って団結しないと属領地にされて、奴隷狩りにあったり色々と困った事になると説得したりして来たのです。我々の現状や戦う姿を実際に見せたり、奴隷狩りに来た連中との戦いなどをですよ。
密林帯や砂漠地帯、海は有りましたね当たり前でしたが、大きな湖も有りました。湖の方には水軍を、海には海軍も作りました。政治体制ですが、部族や集落の長を集めた総意決定議会を置きまして運営している現状です。
ビントラント王国とサカギニシトゥ王国は北東で国境をトラディウス王国東側で国境を接しています。北部ではヤハフタル王国と国境を、西部ではレサアマル王国と国境を接しています、言わば内陸国なのですよサカギニシトゥ王国は。
「ビントラント・トラディウス・レサアマル各王国は国境を接しているのですね・サカギニシトゥ王国と隣接して居る国々の関係はどうなっていますか、こことビトラント王国との国境には場合によってはそちらにも兵力を差し向け無ければならないでしょう」
レサアマル王国とサカギニシトゥ王国は決して仲が良いと言う訳では有りませんが、戦争になるほどの争い事は有りません。ビントラント王国とサカギニシトゥ王国は、ミーキ領にサカギニシトゥ王国がいち早く侵攻した関係で大変険悪な状態が続いています。国境が全面的に接する事になるのですらかね、ただ現状では完全占領出来ていないのですから複雑な関係でしょうか。
一番怪しい関係をと言うならば、ヤハフタル王国でしょうか。共にブルサルット王国から国王の王妃を迎えていますからね、その分トラディウス王国から厳重な警戒をされています。従ってブルサルット王国とトラディウス王国、ヤハフタル王国、サカギニシトゥ王国は同様に警戒されています。ちなみにトラディウス王国とビントラント王国とは友好関係を築いています、レサアマル王国とツールガルラ王国は友好不可侵条約を結んでいます。
またツールガルラ王国は大河を挟んでポールコック王国と縁戚関係が有ります、三代前の国王にツールガルラ王国から王妃を迎え。ツールガルラ王国も先代王がポールコック家の王族の侯爵家から王妃を迎えています、貴族同士の婚姻もさかんでまさに兄弟国と言っても良い関係でしょうか。隣国と上手く行かない分、大河を挟んでの関係が利害がぶつからないので丁度良いのでしょうね。
「う~ん、ヤハフタル王国に諜報部隊を送れないかな、向こうで会戦演習とか諸々の訓練をされていたら不味いしね。ビントラント王国を経由してトラディウス王国から情報を入手もらうのも良いけど、直接ではないから信頼性と言う事もあるし。それと、ミーキに住む住民はツールガルラから直接間接の経済や、軍事援助を受ける事にどう反応するだろうかな。俺的には今更な感じなんだけど、この長い期間生殺しの状態にされたんだからね」
まぁ、恨み辛みも色々と複雑な気持ちでしょうかね。リューキ王子は完全独立して、新たな国家を作って行くのが良いと言うのなら。議会でも全面的な協力を惜しまないと言っています、ツールガルラ王国は以前からサカギニシトゥ王国との国境線に限定的な軍の展開をしています。
「ん~、ねぇレット総司令。サカギニシトゥ王国がレサアマル王国と手を結ぶ絶対条件は無いのかな、可能性があるとしたらその条件はなんだと思うかな。俺は両国が手を結んでツールガルラ王国を潰してレサアマル王国にツールガルラ王国を呉れてやって、レサアマル王国はその見返りにその軍の勢いでミーキの完全占領の手助けをするとか。互いに領土は倍になるし、周辺の小国となった国々を軍事吸収をする。その足がかりにはなるシナリオと思うけどね、まぁそうなったら多国間での戦争騒乱状態に成るだろうな。仲が良くないとか悪いとか、なんてのは利害が一致すれば問題ない事だろうし」
それは有りえないと否定できる根拠は有りませんな、レサアマル王国は昔から海を欲しがっていましたから。レサアマル王国とサカギニシトゥ王国が組んで急襲をツールガルラ王国に仕掛けたら、場合に寄ったらリューキが言う様な事になるやも知れません。その後サカギニシトゥ王国はじっくりとこちらを完全に獲る算段は出来ますし、その間レサアマル王国は占領地の平定に掛かりきりになるでしょうから欲を出す暇も無いと。トラディウス王国とビントラント王国は、精々軍事同盟を結んで対抗する事で手いっぱいでしょう。
「色々考え過ぎて、思考のるつぼにはまると不味いよね」