幕間 直轄部隊にしたけれど その三
魔物を使っての審査は少佐まで、後は組み合わせを決めてそれぞれ戦ってもらう。
負けた者はその都度中佐、大佐、准将の位までを決める、ただし試験で落ちたら負けた相手と同じ位になる。再度試験を受けるチャンスは有るからがっかりするな、もっとも又落ちたら笑い者に成るかもな。
意外としぶといとは奴らの事、結果的に二十三人が残った。少将・中将・大将まで決める事に成ったが問題が発生、現在少将の竜貴の事だ。少将が団長で、大将が副団長は無いだろうと言う事だ。だが竜貴は、そんなの別に良いじゃないか。俺は王子様と言うとっても嫌らしい立場なんだからさ、実質階級なんて必要ないだろう。ガキに変な高位の階級なんて付けるなよ、高慢ちきの助平野郎になっちゃうぞ」
等と言ってその問題を一蹴した。
一人の男が前に来て「俺はここまででいい。これ以上を狙う意味は俺には無い、戦い試験を受けてそう感じたのだ。支援部隊の隊長にしてくれ、あの仕事も楽な物ではないがやりがいはある」後ろの方からも、俺もだと四人が手を挙げた。准将の階級だぞ、それでもか良いのかと竜貴が問うと。充分だ、元団長と言う面子も守れたろうと思うし。竜貴は「分かった、准将の連中が死んだら交代してくれよな。今准将のお前達、死ぬんじゃねぇぞ」再教育なんて面倒なんだからな。
竜貴が壇上に立って言う。
「これからは実際に部隊を動かし互いに戦ってもらう、何も分からない部隊を動かすのは大変だが。実戦では当たり前に起こる事だ、対戦相手は少将の動かす旅団から始める。丁度部隊を分けると旅団に余る人員だ、それ以上の部隊は展開軍に協力してもらう。大将戦は俺が展開軍を指揮して戦う、共に戦略戦術の知識が無いと戦えない。以上だ、健闘を祈る。
結局、これ程の規模の部隊を動かした経験の無い彼らの動かす旅団は。あちらこちらに齟齬が起き、部隊は奇妙な展開となり動きを止めた。試験的部隊運動に失敗した全員は、少将としての戦術教育を受ける事に成った。
「やっぱりな、戦闘団までは拡大解釈でなんとか動かせたが。それ以上だと、全体の把握ができなく成って部隊がバラけてしまう」
ピント事務総長、残念だがここまでだね。総て中隊に纏めて、中隊レベルからの戦術教育から始めてくれ。戦術教官は展開軍軍から派遣し貰う、向こうも大変だろうが仕方が無い。急がばま回れの言葉が有るしね、少しくらいの時間は仕方が無いさ。
「リューキ王子様へ伝令。レット総司令官より伝令、サカギニシトゥ王国正規軍一個師団。及び貴族軍一個師団、後方支援部隊一個師団がポンケト地区ミーキの町を目指して進軍。以上の状況により、作戦部に至急戻られたしの伝令です」
「分かった、直ぐ戻るよ」